夜間は反射材身につけて/宮古島署
高齢者対象に交通安全研修/大橋開通の伊良部で開催
1月に伊良部大橋が開通し、車両流入が大幅に増加した伊良部地区の高齢者を対象にした宮古島警察署(瑞慶山力署長)の「参加・体験型研修会」が21日、市社会福祉協議会伊良部支所で行われた。参加した高齢者たちは、夜間の道路において黒い服装はほとんど見えないことや、ドライバーに自らの存在を認識させるために明るめの色の服を着たり、反射材を身につけることの大切さを学んだ。
あいさつで、瑞慶山署長は「地域発展のために頑張ってきた皆さんを事故の加害者にも被害者にもさせたくないというのが私たちの願い。きょうは暗い夜間における運転の危険性を体験して、その内容を地域に持ち帰って周囲の人たちに危険性を伝えてほしい」と呼び掛けた。
そのほか、決意宣言も行われ、酒を飲んだら運転しない▽2日酔いになるまで深酒しない▽酔いつぶれて、路上寝しない▽夕方や夜間の外出には必ず反射材を着用する-など6項目を宣言した。
室内では、自分の加齢に伴う身体機能を図る機器で、自らの身体能力を確認。年齢よりも若かったり、大幅に上回った結果に参加者たちは一喜一憂していた。
同署によると、11月20日現在、県内で交通事故でなくなった人は38人。昨年同時期に比べ5人増加している。このうち夜間の事故が24人で全体の66%を占めている。
また、38人中、65歳以上は13人で、3人に1人は高齢者となっており、さらに10人が歩行中の事故で死亡している。
宮古島署管内は、10月末現在で事故発生から24時間以内の死亡はないが、交通人身事故は97件発生している。そのうち、高齢者が加害、被害で絡むのは34件で昨年同時期比で10件増えている。そのうち加害者となっているケースが増えている。
この取り組みは、大橋開通で道路交通環境が大きく変化した伊良部地域において、高齢者が加害者にも被害者にもならないために交通安全啓発意識の普及高揚を図ることなどを目的に実施された。