「市民、議会決議無視」と抗議/考える会・郡民の会
議員連盟の防衛局要請に
宮古島・命の水・自衛隊配備を考える会の岸本邦弘代表と止めよう「自衛隊配備」宮古郡民の会の下地朝夫、砂川洋子共同代表らが23日、会見を開き、「宮古地区自衛隊配備を考える議員連盟」(垣花健志代表)が沖縄防衛局に宮古島への自衛隊配備に関する要請を行ったことを、「市民、議会決議無視」と抗議、批判するとともに、自衛隊配備で市民に不利益が生じた場合、誰が責任を負うのか説明を求めた。
市議会与党議員12人で構成される同議員連盟は20日、沖縄防衛局を訪れ、「地元では配備の期待と同様に、さまざまな要望がある」として、隊員(妻帯者)官舎の分散建設▽振興交付金(仮称)創設▽雇用・物品購入の地元優先▽周辺住民の緊急医療の受け入れ対応-の4項目を要請した。
自治労宮古総支部で開かれた会見で岸本代表は、島内6485人、島外9954人から自衛隊配備反対の署名が提出されている中での今回の要請は「市民無視の行動といわざるを得ない」と批判。さらに市議会6月定例会で自衛隊早期配備に関する要請書(陳情書)は採択されたものの、早期配備について関係機関へ提出する意見書は、議会から付託を受けた総務財政委員会が全会一致で否決していたことを指摘。「意見書が否決されたことは議会として自衛隊配備に関しては『自らは要請しない』ことと同義。今回の要請は議会決議無視」と強く抗議した。
下地共同代表は「市議会は陳情を採択しただけで、議会として正式な表明がされていない中、(自衛隊配備を)公共工事的な感覚で、利権に群がるような行動に憤りを感じる。与党議員には宮古島の将来について真剣に考えてほしい」。砂川共同代表は「4項目の中身を見ると予算要求が含まれていて、宮古島の人はお金目当てで誘致するのだという印象が持たれることをとても恥ずかしく思うとの声が多く聞かれる。要請は撤回してほしい」とそれぞれ語った。
岸本代表らは垣花代表に直接会って文書を手渡し、説明を求める方針だったが、垣花代表に同日、電話で要請したところ、議員連盟のメンバーと相談ができていない現時点では受け取れないとの回答があったという。文書は12人の議員全員に郵送で送付される。