E3ガソリン安定供給を
下地市長が副知事に要請
【那覇支社】下地敏彦市長らは27日、県庁に安慶田光男副知事を訪ね、南西石油の撤退に伴うバイオエタノール燃料(E3)製造への基材ガソリンの安定供給確保について要請書を手渡した。安慶田副知事は「今後も継続できる対策に、県も一緒になって取り組みたい」と話した。
宮古島市は国内唯一の島嶼型環境モデル都市として認定され、『宮古島市地域新エネルギー・省エネルギービジョン』推進のため、バイオエタノール高効率・流通事業に取り組み、宮古島産サトウキビを原料にしたバイオエタノールを3%混合したE3ガソリンを、2014年5月から一般車両にも提供している。
下地市長は「南西石油の親会社ペドロブラス社(ブラジル国営石油会社)が、今年度限りで石油精製業務の撤退を決定したことから、次年度以降の基材ガソリンの調達が困難となり、同事業の継続が危ぶまれている」と懸念を示し、「基材ガソリンの安定供給に必要な措置を、早急に講ずるよう願いたい」と要望した。
安慶田副知事は「環境省が県内をモデル地域として積極的に取り組んだ(バイオ燃料促進)事業であり、基材ガソリンがどういう形で入手できるのかも含めて、県の担当部局と考えていきたい」との方針を述べた。
さらに、下地市長は「エコアイランド宮古島の一丁目一番地のE3事業であり、基材ガソリンが来なくなれば大変なことになる」として、重ねて県の協力を要請した。
安慶田副知事は「市がせっかく国から譲り受けた製造施設なので、それを活用しなければならないし、何と言っても国が始めた事業なので、継続できるよう県も最大限に取り組みたい」とし、「南西石油に代わって新しく参入する企業にも、この作業を続けるよう要望していく」と話した。