宮古上布の発展願う/稲石祭
関係者集い神事
宮古上布の創始者である稲石刀自の功績を顕彰する神事「稲石祭」(宮古織物事業協同組合主催)が30日、旧宮古神社境内で執り行われた。
稲石祭には、同協同組合理事長の長濱政治副市長や組合員、市や県の関係者らが集い、稲石刀自の業績をたたえるとともに、長年受け継がれてきた宮古上布のさらなる発展を祈った。
祭は宮古神社の奥間寛次神主が神事を執り行った。儀式の後、主催者代表して長濱理事長は「私たちは『宮古上布』という一つの織物を通してつながっている。この大切な歴史を受け継いでいくためには互いに協力し合うことが大切。これからも力を合わせて宮古上布の継承発展に向け頑張ろう」と呼び掛けた。
そのほか、県宮古教育事務所の久貝富一所長も来賓祝辞で、宮古上布の継承発展に向け、後継者育成の必要性を訴えながら関係機関のさらなる連携を呼び掛けた。
神事には、稲石刀自の子孫に当たる洲鎌ツルさんも出席し、出席者全員で顕彰と発展の祈りをささげた。
宮古上布はその製造工程が国の重要無形文化財に指定されている織物。400年以上前、稲石の夫・真栄が琉球の船を遭難から救い、下地の頭に任じられた。稲石は夫の栄進に感激して布を織り、琉球王府に献上した。これが後に宮古上布と呼ばれるようになった。