「レターパックで現金」は不可/県内初、宮古郵便局など
シール添付し注意喚起/特殊詐欺被害を未然防止
宮古郵便局(多良間明局長)は宮古島署(瑞慶山力署長)と宮古島地区防犯協会(前川尚諠会長)の協力を得て3日、現金をレーターパック・ゆうパック・宅配便で送らせる手口の特殊詐欺被害を防ぐため、本人が郵便物に現金が入っていないことを確認した上で「私の荷物に、現金は入っていません!」と印刷されたシールに名前を記入し、窓口に預ける取り組みを本格化させた。県内で「特殊詐欺防止シール」を使用した未然防止取り組みは宮古が初めて。
同署によると、特殊詐欺認知状況では、全国が9月末現在で1万165件(前年同期9445件)が発生し、被害額約351億円(同406億円)。一方、県内の10月末現在では、29件(同18件)発生、被害額約9700万円(同約5300万円)で、そのうち宮古管内では4件(同1件)発生し、約390万円(同200万円)の被害額があった。
全国の特殊詐欺事案の一つに、60代女性が電話で架空会社の社債購入を勧められ、「現金を新聞紙で包み、品名を本・書籍と書いて宅配郵便で送って」との指示に従い、500万円をだまし取られた。
瑞慶山署長は「先々月に発生した郵送を利用した現金の振り込みがあり、その対策として今回の施策を実施する。法令ではレターパックやゆうパックで現金を送ることは禁止されている」と指摘した。
その上で「本人が郵便物を差し出す前に郵便物に現金が入っていないかを確認する。さらに本人が特殊詐欺防止シールに署名し、郵便物に貼り付けることで、最後の歯止めになる」と強調した。
多良間局長は「現金を送付する手段として、現金書留を取り扱っている。『レターパックで現金を送れ』は全て詐欺である。レターパックで現金を送ることはできない」と訴えた。
前川会長は「現金を送る時は1分でも1秒でもいいから、もう一度考えてほしい」と呼び掛けた。
この後、窓口でデモンストレーションがあり、レターパックを差し出す本人が、一連の確認とシールに名前を書いて預けた。また受け付け担当の女子職員が、特殊詐欺防止についてアドバイスした。