応急対策推進協を設立/宮古地区国営造成
かんがい事業の老朽化で/国に改修事業を要請へ
宮古地区国営造成施設応急対策事業推進協議会の設立総会が8日、宮古合同庁舎内で開かれ、会長に下地敏彦市長が就任した。役員任期は2年。1987年に着工した国営かんがい排水事業が今年で28年を経過し、パイプラインが老朽化で漏水するなど、地域生活の安全を脅かすことや営農への支障が生じていることから、2017年度応急対策事業着工に向け、関係機関に要請活動を展開していく方針。事業主体は国、受益面積978㌶を計画している。
同協議会は、国営宮古地区土地改良事業で整備した国営用水路の改修事業の総合的な推進母体となって、同事業の円滑な推進を図り、市の農業振興に期するのが目的で設立された。
同協議会によると、宮古地区では98年以降、70件の破損事故が多発し、道路の陥没や農地の浸水などが起こっていると指摘。
さらに宮古島の受益地内は、地下ダムを水源とした積極的な営農が展開され、農業用水のトラブルは農家の死活問題と憂慮している。市の農業振興に重大な影響を及ぼすことが予想されることから、パイプラインの抜本対策が喫緊の課題であった。
こうした中、沖縄総合事務局では、地域の安全および営農への支障を回避するため、現在、国営造成施設応急対策事業により、2014~16年度にかけて破損原因の究明調査・対策工法などを検討しているという。事業主体は国、受益農家978㌶。
設立発起人を代表して下地市長は「宮古島の農業生産高は国営かんがい排水事業によって飛躍的に伸びている。目に見える形で効果を上げ、農家も喜んでいる。しかし、宮古島での事業着工から28年たつと、パイプラインも老朽化が進み、応急対策事業が必要である」と述べた。
その上で「農業用水の効率的かつ安定的な供給のために、関係機関へ要請活動を行っていきたい」と改めて決意を示した。
この後、同協議会の▽会則▽役員選任▽事業計画-の3議案を承認した。
役員は次の通り。
会長=下地敏彦(市長、宮古土地改良区理事長)▽副会長=友利悦裕(同区専務理事)、和宇慶隆(宮古農林水産振興センター農林水産整備課長)▽委員=砂川一弘(市農林水産部長)、松原清光(同部農地整備課長)、石嶺明男(同区事務局長)、安里靖(同センター農林水産整備課土地改良班長)、玉城晃(沖縄土地改良事業団体連合会宮古支所長)▽幹事=中村信彦(同部農地整備課長補佐)、渡真利純(同区施設管理班長)、野原広文(同センター農林資産整備課計画調整班長)、米藏敏之(同宮古支所農村整備課長)