「業者任せの事業」/不法投棄ごみ残存問題特別委
なれ合いの構図を非難
市が2012年度に、一括交付金を活用した不法投棄ごみ撤去事業で、業者に処分場出入り口の鍵を預けっ放しにしたほか、収集したごみの総重量も把握していないことが8日に行われた第9回不法投棄ごみ残存問題調査特別委員会(佐久本洋介委員長)で指摘された。委員からは「業者任せの事業」となれ合いの構図を厳しく非難する声が相次いだ。当局の答弁も一貫性がなく、根拠を示す資料も提出されないことから、同問題の全容解明は厳しい状況だ。
収集したごみは、市の最終処分場(川満、野田)と民間の処分場に運ばれ処理したとされるが、その際、職員の立ち会いはなく処分数量も確認されていない。
処分場出入口の鍵を業者に預け、出入りを自由にさせたことも発覚。計量データや日報もなく、業者が現場で使用したという「自社保有」重機も確認していなかった。
業者の回答書では、事業が3年を過ぎており「資料の収集整理に期間を要する」とし、伝票などの資料提出は難しい状況を示しているにもかかわらず、担当者は「今、伝票を作成中」と状況とは違う答弁をするなど一貫性がなく、委員から指摘を受ける場面が相次いだ。
同委員会は、今後も継続で行われるが、委員からは「話を聞けば聞くほど、業者に任せきりだったというのが分かる」「正直に答えてもらわない限りは進展しない」など、当局に対する不信感が募るばかり。「今ある現実をそのまま報告する以外はない」と述べ、全容解明は難しいとの考えを示す委員もいた。
次回は、12月定例会閉会後に開催される予定。