機械刈り、8割目前/ハーベスター
申込面積は過去最高4000㌶/キビ収穫 要因は農家の高齢化
サトウキビ収穫で機械刈りを選択する農家が増え続けている。ハーベスター運営協議会がまとめた2015-16年産の申込状況によると、申込件数は3894件、収穫面積5143㌶のうち4000㌶が機械刈りとなっており、全体に占める割合は78%に及ぶ。生産農家の高齢化に伴う労働力の低下が背景にある。
機械刈りはここ数年右肩上がりで推移しており、今期は前期と比べて8ポイント上昇した。地区別にみると、最も割合が高いのは上野。全体の収穫面積491㌶のうち439㌶(89%)を機械で収穫する。下地が88%で続き、城辺が79%、平良は77%となっている。
割合が最も低かった伊良部でも前期の40%から64%に急伸しており、全地区で機械刈りが増えている現状が浮き彫りとなった。
ハーベスター運営協議会は「機械化の流れは止まらない」と見る。「一度機械を使ったら若い人でも手刈りは避けて機械を選択する傾向にある。農家の高齢化は進んでおり、機械刈りは今後も増える」とした。
労働力不足を補う機械刈りで収穫作業の効率化が図られ、農地の集積が一層進むことが期待されるが、その一方で課題もある。
機械のオペレーターを最も困らせるのが手入れが行き届いていないほ場だ。特に株出しのほ場で多く、株を立たせた後、1年間何ら手入れもせずに放置しているほ場があるという。
こういったほ場は機械が入りにくいだけでなく反収がめっぽう低い。「何のためにサトウキビを栽培しているのか分からない」(関係者)ほ場で、オペレーターも手を焼く状況だ。
また、ほ場の周囲ぎりぎりまでサトウキビを植えているほ場も悩みの種。機械が入るスペースを確保できないためだ。運営協議会では「最低1㍍40㌢は確保してほしい」としている。
宮古地区では今期、110台(宮古島100台、伊良部島10台)のハーベスターが稼動する。