平均独活糖度は14・33/宮糖伊良部
高糖度、最高の滑り出し/15-16年期操業がスタート
宮古製糖伊良部工場は14日、2015-16年期サトウキビ製糖操業をスタートさせた。初日は約303㌧の原料(サトウキビ)を搬入し、平均糖度は14・33度と品質面で最高の滑り出しとなった。1㌧当たりの農家平均手取額は2万2101円(推定)。同工場では今期5万8150㌧の搬入を見込む。操業期間は3月末までを予定している。
今期のサトウキビは気象条件に恵まれず、特に夏場に接近した複数の台風で被害を受けた。ただ、迅速なかん水作業等で被害を最小限にとどめている。
宮糖伊良部管内の生産量は、前期の6万1783㌧より3500㌧ほど少ないものの、平年並みを維持して今期の操業を迎えた。
初日の成績は前期同様最高の結果となった。平均糖度は14度台と高糖度で、糖度区分別構成比は基準糖度帯(13・1~14・3度)以上の原料が全体の48・88%を占めるなど高い品質を裏付けた。同糖度帯内の原料は39・50%、糖度帯以下はわずか11・63%。最高の糖度は16・9度あった。
この成績から算出する農家の手取額は2万2000円を超えているが、工場買い取り価格が確定していないため、年明け以降に変動する可能性はある。
同日行われた操業開始セレモニーには、県や宮古島市ほか関係団体の代表らが参加して豊作と安全操業を祈願した。はじめに宮古製糖の安村勇社長らが機械にキビの束を投げ入れて今期操業の開始を告げた。
安村社長は「製糖操業の開始によって伊良部地域の経済が活気付くことを期待している」と強調。「品質面を心配していたが14・33度が出ている。昨年以上の品質と歩留まりになるように取り組む。安全第一の操業を行いたい」と述べた。
下地敏彦市長は「サトウキビは一次産業を支える基幹作物で、あらゆる産業に大きな影響を与える」と重要性を指摘。「夏場の台風被害を心配したが、農家と関係機関の努力で平年並みの生産量を確保できた。市としては、引き続き生産技術の向上と安定生産を支えていきたい」と話した。
県宮古農林水産振興センターの安里和政所長や市議会の棚原芳樹議長らも来賓祝辞で操業開始を祝った。
宮古製糖は来月5日に多良間工場、同6日に城辺工場の操業を開始する。