「司法の場に委ねる」/不法投棄ごみ残存問題
市民有志が方針説明
住民訴訟告訴を視野に/賛同を呼び掛け
不法投棄ごみ残存問題に伴う市の事業の在り方について、市監査委員会に住民監査請求をした市民らが13日、市役所平良庁舎で会見を開き、同監査委員会が下した「却下」の判断に疑問を呈し、この問題については「司法の場に委ねる」との見解を示した。今後、弁護士と相談した上で住民訴訟、告訴など含め検討するとしている。また、今回の問題を司法の場で取り上げることに賛同する市民を募り、より多くの市民有志で今後の動きを展開したいとしている。
この問題については、9月に市民7人が連名で「平成26年度不法投棄ごみ撤去事業」について、予算要求から入札、会計支出に至るまでの一連の手続きには多くの問題があるとして、市監査委員会に対して住民監査請求を行ったが、同委員会では11日に「却下」の判断を下していた。
会見で岸本邦弘氏は「市のリーダーと業者とのかかわり方、事業化から会計支出を含め、市長が業者と慰労会をするなど、普通には考えられない状況があった中で今回の回答は、求めていたものとは違う。今後は偏りのない司法の場でその答えを得たい」と述べた。
そのほかの市民からは、市監査委員会が「却下」の判断について、参考にしたとする最高裁判決の文言の中に「市に損害をもたらさない行為は、住民監査請求の対象にならない」と記されていることについて、不満の声が出された。
ある市民は「今回の問題について監査委員会が『市に損害をもたらさない行為』と判断していること自体がおかしい」と訴えた。
そのほかにも「今回の問題は、前提となる事業そのものが不正であり、不正を前提にお金が出されたのであれば不当な支出。それを基本に監査委員会は責任ある判断をすべきだった。そもそも監査委自体が損害額について分かっていないと思う。そんな中で住民監査を門前払いするということはその役割を放棄したことになり、住民監査請求を軽く見ている」と訴えた。
今後の動きについて、岸本氏は「すでに5人の有志で動いているが、これから多くの情報を提供しながら、賛同する有志を集めて司法の場で訴えていきたい。今の宮古島市は市民に考える時間を与えられないままどんどんおかしな方向に向かっている。これを見過ごせばさらにおかしな方向に行く。ぜひ多くの市民が協力してほしい」と呼び掛けた。