宮古語の独立性強調/すまふつボランティア養成講座
ケナンさんが文法語る
宮古フツ継承者を育成する「すまふつボランティア養成講座」が19日、腰原公民館で始まった。初回は京都大学大学院博士課程在学中のセリック・ケナンさんが講師を務め、言語学の観点から宮古フツをひもといた。ケナンさんは「宮古方言という言い方は曖昧」と指摘。「大変複雑な言語状況を正確に捉えると、方言と言語は区別しなければならない」などと話し、日本語とはまったく違う宮古語の独立性を強調した。
この講座は県と県文化協会が主催。市教育委員会が共催し、市文化協会が主管して開いている。宮古フツが消滅の危機にあることを踏まえて普及活動の推進を図る。来年2月21日まで全10回の日程で行われる。
宮古語を研究しているケナンさんは、文化協会主催の方言大会で最高賞を受賞するほど、自身流ちょうな宮古語を話す。ユーモアあふれる語り口も魅力だ。
講座会場には定員いっぱいの市民が訪れ、ケナンさんの話に耳を傾けた。
ケナンさんは、言語学では「相互理解」の客観的基準を設けるとし、「言葉Aと言葉Bが通じれば同じ言語の二つの方言だが、通じなければ別々の独立した言語である」と述べた。
宮古島で話す日本語と東京で話す日本語は少しの違いはあるものの難なく通じることを挙げ「大昔から宮古島で話されてきた本来の言葉(宮古語)は、東京の日本語と全く通じない」として宮古語の独立性を認識するよう促した。
この後は、「標準的な宮古語」を使って音や表記の仕方、動詞の活用概要などについて話を進めた。
きょう20日の講座は、んきゃーん塾主宰の佐渡山政子さんが講師を務める。