過去最高38億2700万円/肉用牛15年販売実績
年間通じて高値取引/子牛1頭平均は60万8880円
JAおきなわの宮古、多良間市場を合わせた2015年宮古地区肉用牛販売実績が19日にまとまった。総販売額は前年比5億7950万円増となる過去最高の38億2739万円。子牛1頭平均価格も60万8880円の過去最高となった。全国的な素牛(子牛)不足の影響を受け、年間を通して競り価格が高値で安定したことが最大の要因だ。
15年競りの成牛を含む上場頭数は宮古、多良間合わせて6554頭で、前年と比べて256頭減少している。市場別では宮古5335頭(前年比20頭減)、多良間1219頭(同比236頭減)。
ただ、子牛価格そのものが高騰しているため販売価格は上昇。前年の実績を大幅に上回る38億円台の売り上げとなり、肉用牛市場の高値安定を印象付けた。
子牛1頭平均価格は、前年と比べて10万7060円高。今年1年を通してほぼ50万円以上で売れた。
市場別の子牛1頭平均価格は、宮古市場が61万3702円、多良間市場が58万9081円だった。
性別にみると、去勢は64万5514円、雌は55万7398円の実績だった。
平均キロ単価は2423円。性別では去勢2487円、雌2323円だった。
このような高値安定取引に伴い、各市場の売り上げは1月の初競りから好成績が続いた。宮古市場は12カ月連続で2億円台の販売を達成し、多良間市場も5000万円を下回る販売額はなかった。
高値の要因は、全国的な素牛(子牛)不足。肥育農家の間で子牛の引き合いが強く、全国各地で子牛価格が上昇している。
今年1年の実績についてJAおきなわ宮古地区畜産振興センターの砂川辰夫センター長は「1年中、素牛不足であったことが高値の要因だが、改良に改良を重ねてきた宮古和牛改良組合の努力も大きい。喜びの1年になった」と話した。その上で「来年もこの傾向が続くものとみられるが頭数が減少していることは大きな課題だ。購買者の皆さんに信頼される競り市場の安定に向けて、マナー向上と合わせて課題解決に取り組みたい」と話した。