「正常な方向に戻せ」/不法投棄ごみ残存問題
調査長期化に不満続出
特別委、来年3月まで延長
市議会の不法投棄ごみ残存問題調査特別委委員会(佐久本洋介委員長)が、12月定例会までとしていた調査期限を延長したことに対し、中立会派「21世紀新風会」などから不満が続出。議会で議決されていない項目(年度)が審査されていることが長期化や複雑化の原因だと指摘し、「正常な方向に戻して、市民の期待に応えるようにしてほしい」と要望した。調査期限の延長は3月定例会までとし、閉会中も継続審査を行う。24日は10回目の特別委が開かれる。
「調査期限を延長し、閉会中も慎重調査を要する」。22日の市議会12月定例会最終本会議で、佐久本委員長が報告した。
委員長報告に対する質疑で、仲間賴信氏は「議会で議決していないものを取り上げて、特別委員会で審査できるのか」と切り出し「自治法無視、本筋から外れている」と非難した。
これに対し、佐久本委員長は、9月24日に設置された特別委の調査事項は「不法投棄ごみ残存問題に関するもの」だと説明。仲間氏が指摘した、議会議決されていない「平成24年度に行われた撤去事業(一括交付金活用3000万円)」については「平成24年度事業なのか、平成26年度に行われた撤去事業(市の単独事業2200万円余)なのか、それとも両年度に行われた撤去事業なのか断定されていない」と強調し「特別委の調査を開始するに当たり、委員間で協議し、平成24年度事業及び26年度事業について調査することに決定した」と述べた。
前里光恵氏が12月定例会までの調査、報告が遅れた理由をただしたのに対しては「特別委は、これまで9回審査してきたが、まだ解明できない部分が多く残っている」と答弁した上で「回数にはこだわらず、しっかり調査していきたいというのが委員の意見である」と継続審査の理由を説明。「26年度事業については第10回目、24日から入る」と述べた。
新里聡氏は「議会で議決されたことを調査するのが特別委」だと主張。「誰一人として平成24年度事業を特別委の調査と考えたことがあるのか」と問い掛けた。
その上で「平成24年度事業」については①不法投棄ごみの撤去の量を過大に県に報告したこと②撤去した際の伝票などの資料を業者に求めているが提出されていないこと-が問題だとし「同年度に実施された事業は、不法投棄ごみ残存問題には該当しない」と強調。「今からでも遅くない。正常な方向(平成26年度事業の調査)に戻して市民の期待に応えるようにしてほしい」と訴えた。
山里雅彦氏は「平成26年度不法投棄ごみ撤去事業」で、市民が市監査委員会に行った住民監査請求が却下されたことを挙げ「その理由や、調査内容を特別委で精査してもらいたい」と要望。佐久本委員長は「調査委員会で話し合いたい」と述べるにとどめた。
山里氏が一般質問で「特別委はまったく機能していないと個人的には思っている」などとした発言には「委員は真摯(しんし)に一生懸命議論している」と反論した。