子牛最高100万円超え/16年肉用牛初競り
1頭平均69万円の高値/上場頭数、前年比98頭減
JAおきなわ宮古家畜市場の2016年初競りが19日開かれ、上場1番牛に115万8840円の過去最高額が付いた。子牛1頭平均価格は前年同月比14万3129円高の69万6797円、平均キロ単価は同比505円高の2723円と高値取引が成立した。一方で上場頭数は前年同月より98頭も減少。素牛(子牛)産地として、大きな課題として浮上している。
初競りには子牛384頭が上場され、1頭を除いて全部競り落とされた。平均体重は256㌔だった。
性別の1頭平均価格は去勢が75万3954円。前月比では3万円余り下げているが、前年同月の価格を16万円以上も上回った。雌は61万2722円で同比11万511円高だった。
平均キロ単価は去勢が2870円、雌が2491円とそれぞれ高く、いずれも前年同月の価格を大きく上回る成績となった。
この結果、子牛だけでも2億6600万円を売り上げる大商いに。全国的な素牛(子牛)不足に伴う引き合いの強さは、16年競りにも好材料となりそうだ。
成牛を含むと430頭が競り落とされた。1頭平均価格は66万4918円(去勢75万5005円、雌56万1319円)、平均キロ単価は2385円だった。成牛と子牛を合わせた販売額は2億8500万円と3億円に迫る勢いだった。
子牛1頭平均65万円を上回る取引に、市場は終日活気付いた。特に下地敏彦市長が案内した1番牛の競りは沸いた。電光掲示板に表示される競り値はぐんぐん上昇し、あっという間に100万円の大台を突破。市場からは割れんばかりの歓声と拍手が起こった。
その後も70~90万円台の子牛が続出。天井知らずの競り値を象徴するような高値取引となった。
初競りの結果にJAおきなわ宮古地区畜産振興センターの砂川辰夫センター長は「価格は十分高いが、後半に上場された牛が比較的小さかった」と話し、前月と比べて価格が下がった要因を分析した。頭数の減少には危機感を示し、「これは大きな課題だ。安定した市場を運営するためにも増頭しなければならない」と増頭運動に対する農家の理解と協力を求めた。