水際防疫対策の強化を/宮古空港・平良港
【那覇支社】宮古島市の長濱政治副市長や砂川一弘農林水産部長らは27日、県庁に島田勉農林水産部長を訪ね、宮古空港・平良港の家畜伝染病予防法に基づく動物検疫上の早期指定港化と水際防疫体制の強化についての要請書を手渡した。島田部長は「防疫体制の強化には市町村や関係団体と協力しながら、一緒にやっていきたい」と述べた。
長濱副市長は要請文で、県内の肉用牛農家のうち約4割が宮古地域で経営を営んでいる状況を説明し、「多くの国際チャーター便や大型クルーズ客船の運航が見込まれている一方で、海外旅行者などの増加による海外悪性伝染病の侵入が懸念される」と指摘した。 その上で、「同予防法に基づく指定港として早期に指定し、指定までの間は家畜防疫官の常時立ち会いにより、水際防疫対策を強化してほしい」と要請した。
さらに、「韓国で発生している口蹄疫が小さな島に入ってきたら、宮古の畜産は壊滅状態になるという危機感を持っている」として、県の迅速な対応を訴えた。
島田部長は「県も外国からの伝染病のリスクを懸念しており、水際の態勢を強化する必要性については十分に認識している」とし、「国の関係機関と連携して、(指定港の)基準に条件を満たすことが確認できれば早急に国に要請していきたい」と話した。
砂川部長が県の防疫担当職員の増員を求めたのに対し、島田部長は「県全体の職員が増えない中で、やり繰りしながら現状を維持しているが、(要望として)上の方には伝える」と述べた。
宮古空港と平良港が指定港化されると、外国からのクルーズ船やチャーター便の到着の際、動物検疫所の家畜防疫官が常時立ち会い、携帯品の検査、物品の消毒、必要な質問などを行うことが可能となり、水際防疫対策の強化が図られる。
長濱副市長らは同日、那覇市港町にある農林水産省動物検疫所沖縄支所を訪ね、杉崎知巳支所長に同様な趣旨で要請した。