北朝鮮ミサイル 先島上空を通過/PAC3
基地外配備し警戒/破壊措置終了、部隊撤収へ
北朝鮮の事実上の弾道ミサイル発射で防衛省は7日、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を平良のトゥリバー地区に配備するなど、警戒態勢を整えた。北朝鮮は同日午前9時31分ごろ、弾道ミサイルを発射。ミサイルは五つに分かれた後、二つが先島上空を通過した。県内で報告された被害はなく、配備されていたPAC3に動きはなかった。防衛省は8日午後5時すぎ、弾道ミサイル等に対する破壊措置命令等の実施に関する自衛隊行動命令による措置を終結すると発表し、破壊措置命令は終了した。同命令を受け、宮古島などに配備されているPAC3などの部隊は撤収準備に入る。宮古島にPAC3が配備されるのは2012年4月と12月に続き3回目で、自衛隊の基地外で展開するのは今回が初めて。
市は5日午前10時45分、下地敏彦市長を対策本部長とする市危機管理対策本部を設置した。
同本部は7日午前9時34分ごろ、北朝鮮のミサイル発射情報をJアラート(全国瞬時警報システム)で「発射情報、発射情報。先ほど、北朝鮮からミサイルが発射された模様です。続報が入り次第、お知らせします」との連絡受け、同9時35分ごろから複数回、市の防災無線で「北朝鮮がミサイルを発射しました。念のため、ただちに屋内に避難してください」と放送した。市は防災無線で発射情報を含め、通過情報、安全情報を計6回放送した。
宮古島市は7日午前10時43分、緊急事態連絡室は継続し、市危機管理対策本部を解散した。
北朝鮮ミサイルの警戒態勢を整えるため、PAC3発射装置などを積んだ海上自衛隊の輸送艦「くにさき」は7日午前3時30分ごろ、下崎埠頭に入港した。
陸揚げされた発射装置はトゥリバー地区に移動し、同日午前6時40分、配備を完了した。北朝鮮は8日~25日午前7時30分から午後0時30分(日本時間)の期間の発射予告をしていたが、6日に同予告を1日前倒しし7日~14日に変更したため、配備完了は発射期間突入のわずか50分前だった。
今回のPAC3の基地外配備は、航空自衛隊宮古島分屯地で固定レーダー換装工事を行っており、基地内展開する十分な広さが確保できないため、トゥリバー地区の配備となった。