「新基地造らせない」/翁長知事が県政運営方針
2月定例県議会が開会
【那覇支社】県議会(喜納昌春議長)の2月定例会が16日、開会した。翁長雄志知事は就任1年余りを振り返り、「基地問題をはじめ、経済や文化、教育、福祉、保健医療などの課題に積極的に取り組み、選挙公約の95%以上に着手できた」と強調した。
所信表明で「辺野古に新基地を造らせないことを引き続き県政運営の柱にし、普天間基地の県外移設や5年以内の運用停止を含めた危険性除去について政府に強く求めていく」とし、辺野古の埋め立て承認取り消しについては「今後も訴訟の場などで、県の考えが正当であることを主張立証していく」と述べた。
16年度は沖縄21世紀ビジョン基本計画の中間地点にあたり、「後期5年に向けて、沖縄振興をさらに加速させる重要な年」との認識を示した。
また総額7542億円の一般会計当初予算案や、子どもの貧困対策推進基金創設の条例案、県教育長任命の同意案など計88議案の提案理由を説明した。
全国に比べ深刻な状況にある子どもの貧困問題では、30億円の対策推進基金の設置や「県子どもの貧困解消県民会議」を立ち上げ、県民運動として展開する方針を示した。
「離島力の向上」を目指した離島振興の新規事業では、割高な生活コストを低減するため、沖縄本島からの食品などの輸送費に補助する「離島食品・日用品輸送費等補助事業」、本島住民の体験ツアーなどで離島地域の活性化を図る「離島観光・交流促進事業(島たび事業)」、情報格差を解消する「超高速ブロードバンド環境整備促進事業」を盛り込んだ。
継続事業として、離島航路の確保・維持と航空機購入費用を補助する「離島空路確保対策事業」や「沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業」、本島と海底光ケーブルを結ぶ「離島地区情報通信基盤整備推進事業」などに取り組んでいく。
医療・福祉分野では、離島・へき地の勤務医を確保する「医師派遣等推進事業」、離島県立病院・診療所への医師、専門医の派遣を支援する「県立病院医師派遣補助事業」、市町村が行う子ども医療費助成事業に補助する「こども医療費助成事業」などを提案した。
2月定例会の会期は、3月28日までの42日間。代表質問は23~25日の3日間、一般質問は26、29日~3月2日までの4日間行う。