伊良部地区小中一貫校 建設計画に難題
本土企業が用地取得/市に土地の交換求める
伊良部地区小中一貫校建設計画で、市が購入を予定している建設用地の大半が、本土企業に売却されていることが18日までに分かった。条件付きで所有権移転が完了している。同企業は代理人を通じて宮古島市に要望書を提出。伊良部島島内にある別の土地との交換等を求めているという。2019年開校に向けて進められてきた建設計画に、大きな難題が突き付けられた。
市教育委員会は、昨年12月末までに全購入用地の仮契約を済ませていたが、その後一部の所有者が建設地の大半を占める用地を本土企業に売却したという。
市は、この企業からの要望書を受けて売却の事実を把握。管轄の市教育委員会が元の所有者に対して登記抹消の手続き等を求めているが、これに応じるかどうかは不透明な状況だ。
市は市議会3月定例会に用地購入に関する議案を提出する方向で準備を進めている。ただ、所有権が元の所有者から動かないとする法的根拠を失えば提案を見送らざるを得ない。専門家の法的判断を待って対応を協議する方針だ。
関係者によると、企業の要望事項は▽小中一貫校建設用地と、伊良部島における別の土地との交換▽伊良部島の観光地周辺の土地の売却-だという。
現状、これに応じれば建設計画は予定通りに進められるが、市の貴重な財産を手放すことになるため慎重な判断が求められる。
所有権移転をめぐる取材に対し、市教委は「現時点ではコメントできない」としている。
伊良部地区小中一貫校建設計画の流れは、今年8月に造成着手、来年10月にも建築工事を始める予定で進められている。当初は17年4月の開校を目指していたが、用地変更などで作業が遅れ、現在の開校予定は19年4月となっている。