奥平氏が下地島空港利活用ただす/2月県議会代表質問
波及効果に観光客増など
【那覇支社】県議会(喜納昌春議長)の2月定例会は24日、2日目の代表質問を行い、県民ネットの奥平一夫氏は下地島空港と周辺残地の利活用候補事業の進捗状況や医療・福祉問題などについて質問した。
末吉幸満土木建築部長は「昨年12月に各提案者から事業計画、事業実施条件協議書が提出され現在、関係部局へ意見照会を行っている。今後は提案者と事業実施条件などに関する最終の協議・調整を行い、県観光推進本部において利活用実施計画を策定し、正式に事業者を決定したい」との方針を述べた。
奥平氏は再質問で「昨年11月定例会の土木委員会で答弁した、3月末までに事業者を決定する予定に変わりはないか」と確認した。 末吉部長は「事業提案には国際線旅客施設の整備などが含まれている。宮古圏域の航空行政の大きな政策転換になるので慎重に検討している。事業提案者の受け入れ戦略に影響を与えることがないよう、宮古島市の意見も加えながら県の方針を早期に決定したい」と述べるに止め、決定時期を明確に示さなかった。
利活用事業が実現した場合の波及効果には、▽国内外のパイロット訓練生の受け入れや国際線などの観光客増加で宮古島市入域客数の増大▽世界的に知名度の高いリゾートホテルの進出▽富裕層の来訪で宮古島の世界的な認知度の向上▽新たな事業展開による雇用創出-が見込まれると説明。このうち国際線の旅客施設整備による経済効果は、提案事業者の2022年度の年間入り込み客数19万人の需要予測をもとに、県は年148億円と試算した。
県内の子宮頸がんワクチン副反応被害の実態調査や課題、国の支援体制などについて、仲本朝久保健医療部長は「調査を実施したのは今年1月末時点で12市町村。県は昨年11月に保健医療部と教育庁に相談窓口を設置し、被害者や保護者に対応しており、1月末までの相談件数は16件。国は通院医療費の給付措置を講ずるなど支援拡充を行っている」とし、「県は今後とも市町村や関係機関と連携して、健康被害者の支援に適切に対応したい」と話した。