学校用地を白紙撤回/伊良部小中一貫校建設
再交渉にも応じない構え/島内既存5校で検討か
伊良部地区小中一貫校建設用地売却問題で、市教育委員会(佐平博昭委員長)は25日午後、学校建設用地の選定作業を白紙に戻すことを決めた。学校用地を買い付けた本土企業および元の地権者との再交渉にも応じない構え。一貫校を伊良部高校向かいに建設する計画は完全に立ち消えた。新たな用地は島内既存5校を軸に検討される見通しだ。
学校建設用地の白紙撤回議案は教育委員5人の総意で決した。反対する意見はなく、本土企業や元の地権者との再交渉には応じない姿勢も確認した。宮國博教育長は「この場所で再交渉はしない」と明言した。
一方で、一貫校を2019年4月に開校させる計画は堅持する方向で一致。新たな学校建設用地の選定を急ぐ。用地は伊良部、佐良浜の両小、中学校および伊良部高校の島内5校が候補地として挙がった。
委員の一人は「ここまできて計画を止めるわけにはいかない」と強調。宮國教育長は「この場の意見として統合協議会の中で示していきたい」と述べた。
伊良部、佐良浜の住民らで構成される統合協議会は26日午後に開催される。新たな用地選定に向けて協議の行方が注目される。
一貫校建設が予定されていた学校用地は、市と元地権者の間で売買の合意が図られていたが、市が主張する仮契約後にこの地権者が本土企業に売却。買い付けた企業が市に対して渡口の浜に隣接する市有地との交換を求めたことで問題が発覚した。市は交換条件に応じない方針で、用地取得に関する議案の提出を見送ることを決めている。