宮高、宮工まで運行を/伊良部地区自治会長会
伊良部地区自治会長会(山里英也会長)は25日、伊良部島内や伊良部島と宮古島を結ぶ路線バスを運行している共和バス(新里哲社長)に、宮古高校と宮古工業高校まで路線を延長するよう要請した。伊良部大橋が開通したものの、同島の高校生が通学に不便を来たしていることや、保護者の交通費負担が大きいことを理由に上げた。新里社長は「要望に応えたい」と前向きに答えた。国に申請書を提出し、許可されれば今夏にも「試験運行」が実現する見通し。
同社の路線は、伊良部大橋を渡り、宮古総合実業高校前を通るが、宮高や宮工までは運行していない。
このため、宮高や宮工に通学する生徒は、保護者の自家用車通学やタクシー通学を余儀なくされている。
伊良部、仲地、国仲、長浜、佐和田、池間添、前里添の各自治会長で構成する伊良部地区自治会長会は24日の行政連絡員会で、バス会社への要請を決定。25日に伊良部庁舎で新里社長に要請書を手渡した。
山里会長は大橋の開通で、天候に左右されずに宮古本島の学校に通学できることや、進路の選択肢も広がったことなどを示して「教育を取り巻く環境も様変わりした」と指摘。その上で「地域の子供もたちが、学習に集中できる環境づくりを支援していかなければいけない」と要請の意義を強調した。
これに対し新里社長は現在、バスを利用して通学している高校生は2人だけだと説明。「まずは3カ月間ほど試験運行をして、様子を見てから本運行に移行していきたい」と前向きに答えた。
新里社長によると、路線延長は沖縄総合事務局の許可が必要で、申請後約4カ月かかるという。「これまで運行できたのも、伊良部の方たちが利用したおかげ。恩返しのつもりで進めていきたい」と話した。
宮古本島内のバス会社との競合について山里会長は「生活路線バスなので、行政側が交通整理をしていただきたい」と述べ、地域と行政、教育関係者が連携を取って進めていくことが望ましいとの考えを示した。