感染症患者移送で協定締結/県宮古保健所と市消防本部
エボラ出血熱以外は県内初
県宮古保健所(山川宗貞所長)と市消防本部(来間克消防長)は26日、同本部で宮古保健所管内における感染症患者移送協力に関する協定書を締結した。複数の感染症患者が発生した際など、保健所単独で移送が困難な場合を想定し締結された。エボラ出血熱以外の感染症患者の移送協力ができる内容の協定は県内初。
移送対象となる感染症はエボラ出血熱などの1類感染症、中東呼吸器症候群(MERS)などの2類感染症、新型インフルエンザ等の感染症患者(疑いも含む)。
同保健所管内でこれらの感染症患者が発生した場合、原則としては保健所が対応するが、対応が困難な場合は市消防本部が移送のための人員派遣で協力する。
締結式で山川所長は「クルーズ船の寄港数増加などにより、直に外国から観光客が入る。基本的には国の検疫があるが、宮古島にはないので、県も協力して移送する」と話した。
来間消防長は「近年、外国からの来島者も多い。そのケアも必要。消防も保健所などと連携し、どこでどのような感染症が発生しているかなどを勉強し、対処していきたい」と述べた。
対象となる感染症患者を市消防本部の救急車などで移送した場合、移送後の除染は県宮古保健所で行う。また、対応する消防署員のための防護服なども同保健所で提供するという。
今後、宮古保健所と市消防本部は合同で訓練や勉強会を実施する予定で、世界各地での感染症発生などの状況を共有する。
協定書の内容は▽移送の対象▽移送協力の要請▽移送先▽適切な感染防御による移送体制▽移送車の手配▽移送後の対応-など、12項目にわたっている。