民間委託、経費増に/学校給食平良調理場
市教委 4000万円と試算/「これまで以上に安心、安全」
開会中の市議会(棚原芳樹議長)3月定例会は3日、提案された2015年度一般会計補正予算と、16年度一般会計・特別会計予算に対する質疑を行った。学校給食調理場のうち、平良共同調理場を民間委託することについて、市教育委員会は年間予算がこれまでより4000万円増えるとの見通しを示した。一部議員からは、「経費削減を目的とする行財政改革に逆行する」などと反発の声が上がった。
市教委は「学校給食をこれまで以上に安心、安全で、質の高いサービスを続けるには民間委託の選択しかない」と理解を求めた。
これに対し野党議員などからは「子供たちの安全を守るのは行政の役目」「民間委託は責任転嫁だ」と主張。「なぜ民間委託すると事業費が増えるのか」「集中改革プランとの整合性はどうなる」「民間委託せずに市が運営できないのはなぜか」などと疑問を訴えた。
これに対し宮國博教育長は、調理場職員の大半は賃金職員(臨時職員)だと説明。職員の確保や、指揮系統に支障が出ている実情などを示して「市としては、決められた賃金で職員を確保するのが難しい。民間委託での予算を確保し、委託するという選択が望ましい」と理解を求めた。
市は学校共同調理場について、第2次集中改革プランに基づき、老朽化している城辺、上野、下地の3調理場を統合・新設し、平良と伊良部は存続させ、平良は民間委託する方針を決定。16年度一般会計予算に運営費などを計上した。
委託する業務は▽食材の検収▽調理作業▽給食の配缶▽各学校への配送・回収▽洗浄・消毒・保管▽清掃および日常点検-。
献立や食材の調達、調理の指示、調理物の検査、検食、給食指導などは従来通り市が担当する。
受託者の要件は、遂行能力や危機への対応力、衛生管理および調理技術などを有していること。複数の企画・提案の中から優れた案を採用するプロポーザル方式で選定する。委託する期間は原則3年。
調理場の委託は各地で進められており、県内10市では一部委託を含み▽那覇▽浦添▽宜野湾▽糸満▽豊見城▽うるま▽南城-で実施されている。