今年度退職職員 再任用希望者は12人
サシバリンクス売却は否定/市議会、質疑で当局が答弁
開会中の宮古島市議会(棚原芳樹議長)3月定例会は4日、提出議案のうち条例議案と議決議案についての質疑を行った。過去に2度、否決されている市職員の再任用に関する条例の制定案に関連し、今年度定年退職する職員のうち12人が再任用を希望していることを村吉順栄総務部長が説明した。伊良部大橋開通で利用者が増加している市のゴルフ場・サシバリンクス伊良部について売却する考えがないか問われた下地敏彦市長は、早期売却には否定的な見解を示した。
市職員の再任用に関する条例は、公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が段階的に60歳から65歳に引き上げられることに伴い、無収入期間を生じさせないよう、継続勤務を希望する定年退職者を再任用するためのもの。これまで2014年と15年の市議会6月定例会に提案されたが、「新規採用などの若者の雇用確保に影響する」などと主張する与党議員らの反対多数で否決されてきた。
同条例案に関連し、亀濱玲子氏が再任用希望者について質問したのに対し、村吉部長は今年度で定年退職する職員にアンケート調査した結果、対象者49人中、26人から回答があり、そのうち12人が再任用を希望していることを説明した。
サシバリンクス宮古島は13年4月から指定管理者による管理が行われていて、契約期間満了に伴う指定管理者公募の結果、同じ業者へ指定管理させることへの承認を求める議案が今定例会に提出されている。
同ゴルフ場について川満勝彦伊良部支所長が亀濱氏の質問に対する答弁で、14年度の利用者数が6998人、売上は約1920万円だったのに対し、15年度は約1万人、2630万円を見込んでいることを説明。指定管理制度を導入する以前は年間運営費約5000万円のうち2500万円ほどを市が補助金として拠出していたが、指定管理となってからは市はまったく補助を行わない一方で、売上はすべて指定管理者の収入となっていることなどを報告した。
下地智氏は同ゴルフ場について「市の財政を考えると売却する必要があると思う。伊良部大橋が開通し伊良部観光の目玉となれるところ。売却するなら今が絶好のチャンスと思う」として売却について見解を求めた。それに対し下地市長は「もう少し状況を見る必要がある。もともとパブリックゴルフ場として作られた。伊良部の人にとっては自分たちのものという意識がまだある。そのあたりを勘案しながら検討していきたい」として早期売却には否定的に考えを示した。