市が答弁書で反論/不法投棄ごみ残存問題
住民訴訟・請求の棄却求める
不法投棄ごみ残存問題で住民監査請求を「却下」された市民有志6人が1月に那覇地方裁判所に提起した住民訴訟で、被告の宮古島市(下地敏彦市長)は今月1日に原告側に答弁書を提出した。答弁書では、原告の主張の一部に反論し、請求の棄却を求めている。
住民訴訟では、委託料の毎月の支払いがどういった経緯でなされたかを問題視し、違法な公金支出で宮古島市に損害を与えたとして下地市長を含む市の幹部職員4人に2014年度に実施した不法投棄ごみ撤去事業の予算額2251万8000円全額を市から4人に請求するよう求めている。
これに対して、市代理人の大城純市弁護士は「入札手続きに違法性はない」「業者との間の契約書は適法、有効に締結されている」「受注業者は契約書に基づいて業務を遂行し、履行し完成させた上で、被告宮古島市に引き渡している」「業者の履行遂行状況を確認しながら月次に委託手数料を支払っていた」などと原告の訴えに反論している。
残存ごみについての反論では「業務遂行の完了を確認した後に確認されたもので、それは完了後の風雨により、さらにその下に残っていたごみが表出したもの」と主張している。
また、市と、この業者との間で残存ごみの再撤去について合意を取り付けていると主張し、このような経緯があることから市には何ら損害は発生していないとして、請求の棄却を求めている。
「履行状況を確認した上で月次の手数料を支払った」との答弁ついて、これまでに行われた市議会の調査特別委員会で当局は、事業期間中は一度も保良の撤去箇所については下まで降りて確認することはなく、最初に現場に降りたのは本紙がこの問題を紙面で取り上げた後に降りたことを説明している。
さらに、13回目の同委員会では各月の委託料支払い時には、どのように事業が進められて、どのような状況だったかを確認しないまま、契約が月払いとなっていることだけで支払ったことを認めている。
さらに、残存ごみが「完了後の風雨により表出した」との主張についても、同委員会で同課の職員は「友利の現場は実際に下まで降りて確認し、まだ確かにごみが残っているのは確認できた。保良の2カ所は上の方からしか見ていないので下にこんなに残っているということは確認していない」と述べている。
今回の市側の反論を受け、原告側代理人の喜多自然弁護士は「今後、市側主張に対する反論が求められると思うので当局のこれまでの主張を確認しながら作成したい」と述べた。
この住民訴訟の第1回口頭弁論は今月8日に行われる。