家庭教育の充実へ/アドバイザー養成講座
16人の父母が学び合い/子供の学習環境の整備など
家庭教育支援アドバイザーの養成講座が5日、県宮古合同庁舎で開かれた。16人が受講し、父母が互いに学び合う「夢実現『親のまなびあい』」プログラムを体験。子供の携帯電話とインターネットをテーマに意見を交わし、各家庭の現状を吸収しながら課題を集約した。講座は6日まで。16人は全講座修了後にアドバイザー資格を獲得する。宮古地区における家庭教育の充実が期待される。
親の学び合いプログラムは、県家庭教育支援推進計画に掲載している参加型の学習プログラム。子供の生活習慣の確立や規範意識の向上、学習環境の整備を図ることが狙いで、父母ら保護者が家庭教育について共に気付き、共に考え、共に学び合うことが特徴だ。
講演会のように講師の話を一方的に聞いて学ぶのではなく、参加者同士が主体的に話し合ったり、作業をしたりして家庭教育に必要な知識を吸収する。
家庭教育支援アドバイザーはプログラムの進行役を務める。地域の要請に応じて派遣され、家庭教育の向上をサポートする。
養成講座は、2015年5月から本格実施されており、これまでに県内で約70回開催された。約2000人が受講しており、アドバイザー登録を済ませた人は約200人。宮古地区では9人が登録している。
宮古地区の養成講座は2回目で、この日は中学高校生対象のプログラム「規範意識・マナー」をテーマにワークショップを開催。爆発的に普及した携帯電話とインターネットが子供に与える影響を語り合った。
子供が利用して良かった点や困った点を集約し、その結果をグループごとに発表した。どのグループも困ったことが圧倒的で▽ゲームをやり続ける▽有害サイトを見る▽辞書を引かずにすぐ検索サイトを頼る▽会話がなくなった▽通信料がかかりすぎる▽子供の方が詳しく、親が子供に教えることがない▽サイト上の悪徳業者からの不当請求-などが次々と挙がった。
良かった点は▽視野が広くなった▽情報をすぐに入手できる-等に限られた。
この後、発表を通して気付いたことや改善するための対応策を考察。グループごとに意見を出し合い、それぞれが家庭教育の充実に向けてスキルを磨いた。
講師を務めた県教育庁生涯学習振興課の上間久仁さんは「各地域で夢実現プログラムのワークショップが開催されることを期待している。それが県民全体で家庭教育を支援するという雰囲気づくりにつながる」と話し、支援アドバイザーの活躍に期待を込めた。
6日に残りの講義と演習を行った後、全講座を終える。受講者には家庭教育支援アドバイザーとしての修了証書が交付される。