宮古語電子辞書 ネットで閲覧可能に
各方言で翻訳し掲載/ケナンさんが概要報告
京都大学大学院博士課程在学中で宮古島の方言を研究しているセリック・ケナンさんが5日、市中央公民館で自身が作成した宮古語電子辞書がインターネットで閲覧可能になったことを報告した。同辞書を閲覧するにはグーグル検索で「WWW.kagimyaaku.jp」。
この電子辞書は、紙ではなくインターネットで閲覧する音声付きの辞書。現在の語彙(ごい)数は約2500個で音声ファイル(発音)の総数は約1万個となっている。
同辞書について、ケナンさんは「消滅危機言語の宮古語を調査していく中で、その結果を整理して一般公開することが課題だったが、それを解決するのがこの電子辞書」と説明した。
さらに「この辞書の特徴は、紙の辞書ではないため、いつでもまたすぐに編集(更新、追加など)が可能。現在は項目数・語彙数が少なく、間違いも多く含まれている可能性もあり、完成形ではない。多くの人の指摘を受けながら、この辞書を改善して内容を充実させたい」と述べた。
今後については、基礎語彙に対して例文を作成し、各方言で翻訳し辞書に掲載する。さらに、文献を参照しながら調査を継続して語彙数を増やしていくとしている。
そのほかにもケナンさんは、宮古方言は同じ言葉でも地域によってその意味が全く違うことも紹介した。
例として「みゃーらび」は、鏡原では「幼い女の子」。友利では「浮気」となっていることを説明した。
電子辞書には、それぞれの語彙について地域別の意味が記されている。ケナンさんは「宮古語には多様性があり、意味に違いがある。その違いがあることに意味がある」と述べた。