農畜産と観光産業振興へ/多良間村3月定例会
伊良皆村長が施政方針
【多良間】多良間村議会(森山実夫議長)3月定例会は8日開会し、本会議で伊良皆光夫村長が2016年度の施政方針を発表した。産業振興は、農畜産業を主体として観光産業との連携による、特産品開発や雇用の場の拡大を図ると強調。特に新作物として唐辛子生産組合が設立され、20戸の農家が栽培に取り組んでおり、高齢者でも栽培できる作物として期待できることを示した。
伊良皆村長は、16年度の主な事業は含みつ糖施設近代化事業の継続と、観光関連施設整備事業、ミッジ公園東屋・トイレ等設置工事、前泊港上屋整備事業、筋阿真南線(旧空港南)工事を新規に実施することなどを挙げた。また、ソフト事業として方言文化の継承保存のための方言辞書作成、ALT活用事業を進めることなどを挙げた。
観光については、地元産食の提供、宿泊施設不足、観光ガイド等の人材不足で受け入れ体制が不足していることを課題に挙げ「2015年度で基本計画を策定し、16年度から基本設計・実施設計と施設整備を17年度までの期間で実施に向けて進める」と観光課題解決に向けた取り組みを示した。
人材育成については、県の子供貧困率が29・9%と全国の2倍近い状況であることを指摘。村の子供たちが未来に誇れる人材として活躍できるよう、村営塾の開設、幼稚園預かり保育の開設、定住を条件とした給付型奨学金制度を検討することを挙げた。
また、環境問題は地域の環境を守る上からも、ごみの減量化と不法投棄のない村を実現するため、村内の美化促進を図る取り組みを進め、今後は地域懇談会を実施することを提案し、意識向上のための村民の協力を求めた。