伊良部、佐良浜中を推薦/伊良部小中一貫校建設計画
新たな用地で統合協/きょう用地選定委員会
伊良部小中一貫校建設用地売却問題で、伊良部、佐良浜の住民らで構成される統合協議会は8日、新たな用地として伊良部、佐良浜の両中学校を「推薦」することを決めた。2019年4月開校を前提に、既存校を解体して建設する方向性をまとめた形だ。9日の用地選定委員会では、この2案を軸に再選定作業が進められる見通しだ。
当初の学校用地が本土企業に売却された後、2度目となる統合協では、市教委が提示した用地候補地の伊良部小、佐良浜小、伊良部中、佐良浜中の島内既存4校を評価した資料を基に議論が進められた。
資料には各校の敷地面積や形状、交通条件、標高などと加えてメリットやデメリットが記載された。
また、今後のスケジュールとして、9日と11日に用地選定委員会を開催、15日に教育委員会の臨時会、18日に市長決裁、22日には県に学校用地を報告するという流れも示された。
事務局の説明の後に意見交換に移ったが、冒頭は感情的な意見が目立った。
事務局の資料に疑問を投げ掛け、ある委員は「この案で造ったとしたら子供たちは大変だ」と述べ、今の進め方に異を唱えた。
別の委員は、当初既存の学校を外した理由が「安全性の確保だった」と主張して用地選定作業が逆戻りしている現状を指摘した。
こういった意見に対してある委員は、「どうしても地域のエゴが出てくるから島の真ん中に造ろうという話でまとまった」とこれまでの議論を振り返った。
その上で「われわれにどこに造っても良いという決定権まで委ねられているわけではない。各地域の意見を整理しないと住民運動を起こされたらどうなる。これは末端まで下ろして話し合うべきではないか」と用地選定をまっさらな状態に戻すことを提案した。
一方で、「現実問題として統合はありきだ。生徒数が少ない」や、「親としてこれ以上(開校を)延ばすことをどう思うのか。平成年開校を延ばすと、もう造れなくなる」という懸念を示す委員もいた。
仲間明典会長は、統合協に決定権はないとした上で持論を展開した。敷地面積や防災など各校の評価を踏まえ、「結論としては伊良部中か佐良浜中しかないのではないか。年開校という宿題がある以上、間に合わせないといけない」と既存校での建設を支持した。
この後も委員からさまざまな意見が挙がったが最終的には「統合協議会としては用地選定委員会に伊良部中と佐良浜中の両方を推薦する」とした。「安全性の確保」を付帯意見とした。