保護者説明会開催へ/伊良部地区小中一貫校
早急すぎるとの意見受け
用地選定委で方針決定/今後の日程にも影響
伊良部小中一貫校建設用地の再選定に向けて、用地選定委員会(委員長・長濱政治副市長)の現地視察と審議が9日、伊良部公民館で行われた。2019年4月開校のタイムスケジュール的にこの日の審議で用地が決定する可能性もあったが、審議は冒頭から委員間で意見が衝突。伊良部地域づくり協議会の比嘉臣雄会長が「こんな頭ごなしの決め方ではまた問題が発生する。まずは住民にこの状況を説明した上で判断すべき」と主張。この意見を受けて今後、伊良部と佐良浜両地域の保護者らを対象に説明会を開催することでまとまった。
この問題をめぐっては、前日に行われた統合協議会で新たな用地として伊良部、佐良浜の両中学校を「推薦」することが決定している。
長濱副市長は、伊良部と佐良浜の両小中学校を視察後、「南区(伊良部)と北区(佐良浜)の間で綱引きのようなものがあるように感じた。きょう(9日)用地を決めることも可能だが委員からいろいろな意見がある以上、判断をどうするか諮りたい」と述べた。
比嘉会長は「まだ住民のほとんどがこの状況を知らないし、納得していない。その中で私たちが今決めたにしても地域住民は納得しないし、頭ごなしに決めて『はい分かりました』とはならない。早急に結論は出さないでほしい」と訴えた。
さらに、比嘉会長は「1回か2回は住民を集めて意見くらいは確認すべき。住民の意見を聞くことは大切」と主張した。
これに対して統合協議会の仲間明典会長は「比嘉さんの意見は統合協議会の中でもたくさん出た。それでは前に進めないし、時間的な余裕もないということで、お互い歩み寄って伊良部中と佐良浜中の2箇所を用地選定委員会で審議することになった。2019年4月開校が前提であり、もう時間がない」と訴えた。
宮國博教育長も「用地が決定する前に賛否を取るなどの作業をすれば、平成31年(2019年)の4月開校には間に合わない可能性が出てくる」と述べた。
結局両者の意見は平行線のままで、長濱副市長が市教委と調整して保護者らを対象にした説明会を開催することを確認。それを踏まえて再度用地選定委員会を開催することとなった。
市教育委員会では19年4月開校を前提としており、そのためには17年度での建設工事開始が条件となる。そのためには今年4月8日までに県が国に概算要求が必要となっていることから、用地決定期限を3月31日としている。