新教育長、宮國氏任命へ/新制度移行で下地市長
新教育長の創設を柱とする改正地方教育行政法に伴い、下地敏彦市長は10日までに、現教育長の宮國博氏を新教育長に任命する方針を固めた。開会中の市議会3月定例会に同意案件を追加提出する。同意が得られれば新教育長が誕生。4月以降、市の教育行政は2015年度施行の新制度に完全移行する。
同法は、新教育長の創設と首長が主宰する「総合教育会議」の設置が柱だ。首長の権限を強化した上で首長と新教育長の責任を明確化する。いじめ問題など緊急事態の発生時にも的確に対応することを狙う。
新教育長は今の教育委員長と教育長を一本化して創設する新たなポスト。これまでの教育長は教育委員の中から互選されていたが新制度では首長が直接任命する。このため、教育行政に首長の意向を反映しやすくなる。任期は旧法の最長4年から3年に短縮される。
新制度に移行すると、首長は総合教育会議で学校統廃合や小中連携などについて新教育長、教育委員と協議し、教育行政の基本方針を決める。教科書の採択や教職員人事に関する執行権は、教育の政治的中立性に配慮して教委に残す。
新制度は15年度に施行されているが、教育委員の任期中は旧法の適用が認められる。市はこの経過措置を利用して旧法のまま教育行政を遂行してきた。
現状、宮國氏は教育委員の任期を1年以上残しているが、任期満了を待たずに新制度へ移行。宮國氏31日付で現教育長を辞任する意向を固めており、これを認める市教委の臨時会は15日午後に開かれる。
新教育長の任命権者は下地市長だが、議会で不同意の場合、新教育長は不在となる。下地市長は、今議会に同意案を追加提出し、学校規模適正化作業など宮國氏の実績を訴えながら理解を求める方針だ。