一般職のみ対象に不満の声/市議会総務財政委
職員倫理条例案を審議
開会中の市議会3月定例会は11日、総務財政委員会(嵩原弘委員長)が行われ、今定例会に提案されている「職員倫理条例案」など10議案について審議した。同条例についてはすでに制定している石垣市の条例を参考に提案されていることが説明されたが、委員からは市長、副市長などを含めた「特別職」が対象となっていないことに疑問と不満の声が出された。
濱元雅浩氏は「宮古島市には議員の倫理条例もないし、特別職にも倫理条例が現状ではない。参考にした石垣市の倫理条例の中に『特別職』も入れてあるが、宮古島市では『特別職』を外したということか」に対して、当局は「はい」と答弁した。
新里聡氏は「業者と酒を飲むことについて何が悪いのかと特別職の市長が平気で言う。さらに、日本で初めて特別警報が発令されても市長室で平気で酒を飲んでいた。そういったことを是正するための倫理条例じゃないか。特別職の倫理条例なら意味は分かるが、なぜ一般職員だけが対象なのか」と訴えた。
これに対して村吉順栄総務部長は「確かに石垣市の倫理条例では市長、副市長等の特別職および一般職と規定されている。しかし、他府県の状況を見ると別々に条例を制定しているので、今回はまず職員の方を提案させてもらった」と述べた。
これに対して新里氏は「今回の提案は上層部から『特別職』は外せといわれたのか、提案する皆さん側から特別職を除いたのか。特別職も含めた二本立てで条例を提案すべきだったのでは」と追及した。
これに対して村吉部長は「特別職には議員も含まれる。その場合は議員と細かく調整する時間が必要なので、今回は職員だけに限らせてもらった」と述べた。
職員の倫理については、不法投棄ごみ残存問題でも市の事業を請け負った業者の酒宴に下地敏彦市長と担当職員らが参加したことを受け、昨年の12月定例会の一般質問でも國仲昌二氏が国家公務員倫理審査会の資料を紹介しながら職員倫理について市に見解を求めていた。
そのときの答弁で下地市長は「国家公務員の倫理規定はかなり厳しい規定になっていると思う。市職員の規律ということを考えてもそれを参考にして早期の制定に向け努力したい」との見解を述べていた。
また、自らの酒宴出席については議会答弁で「それはごく普通のこと。招待されたときには私は参加している。そのときだけ特別に参加した訳ではない」との見解を示している。