海抜高い佐良浜中で/防災など理由に要望
市教委が佐良浜地区で報告会
市教育委員会による伊良部小中一貫校用地選定の経過報告会が12日、伊良部公民館で佐良浜地区を対象に開かれた。伊良部中と佐良浜中が候補となっている用地選定について参加者からは津波に対する防災を理由に海抜が高い佐良浜中を要望する意見が多く挙がった。性急な判断を行わず数年先延ばしする提案に対しては事務局が、これ以上の先延ばしはすべきでないとの考えを示した。
報告会には約30人が参加。担当職員から建設地として選定していた伊良部高校北側の用地が取得できない状況となったこと、予定している2019年度開校のためには今年3月中での用地決定が必要であることから既存の伊良部中か佐良浜中のいずれかを候補地とする判断がなされたことなどについて説明を聞いた。
参加者からは「当初、島の中央に作ると聞いたとき、海抜が高い佐良浜中より低いところへ行くことになり、子供にリスクを背負わせることになると思っていた。いつ、どんな津波が来るか分からない。海抜の高い佐良浜の方が心配が少なくて済む」など津波に対する防災上の優位性を理由に挙げ、佐良浜中を選択するよう要望する意見が複数挙がった。
ほかの参加者からは「下地島空港を国際空港化しようとする計画があると聞く。実現すれば伊良部地区の交通量の増加が予想され、子供たちの通学時の安全が心配になる」との理由から佐良浜中での建設を支持する意見も挙がった。
別の参加者からは「できれば期限を決めず、保護者にもっと説明して検討しても良いのではないか。何年と決めて慌てて作業をして充実した学校ができるのか心配」と開校時期を数年先延ばしにする方が良いとする意見が出された。
それに対しては事務局が「開校時期が遅れるほど児童生徒の人数が少なくなり、今、描いている学校の形が変わってしまう」や「既存の学校の老朽化を考えると遅らせることは厳しい」などとして先延ばしに否定的な考えを示した。