「全容解明ならず」/不法投棄ごみ残存問題
21回目の審議終了/市議会調査特別委
25日の本会議で報告へ
市議会の不法投棄ごみ残存問題の調査特別委員会(佐久本洋介委員長)は14日、市役所平良庁舎で21回目の委員会を開催した。前回初めて示された報告書案について、最終の審議と文言調整が行われ、長期化した同委員会での審議は今回で終了となった。報告書については「調査特別委には限界があり、全容解明には至らなかった」とする文言を挿入することを確認したほか、この日の意見を反映させた最終の報告書については25日の3月定例会最終本会議前に確認することとなった。
委員会終了後、佐久本委員長はこれまでの審議について「当局が提出した資料はあまりにもミスや間違いが多く審議しようにも情報があいまいで真実かどうかを突き詰めることができなかった。真相解明はできなかったが職員の仕事への姿勢を含め問題点をあぶり出すことができたと思う」と述べた。
さらに、「全容解明に向けて当局姿勢は協力的だったか」の質問には「それは答えにくい質問。皆さんで判断してほしい」と述べた。
報告書の最後のまとめでは、当局に対する指摘事項として▽正確な数値(ごみの残存量)で事業がスタートしなかった▽書類の不備があまりにも多い▽入札やボランティアでのごみ撤去など、業者とのなれ合いが随所に見られる▽職員がデータを改ざん、偽造したこと▽当局が自ら解明しようとの姿勢が無かった▽さまざまな資料が出てこなかった-などを指摘して、まとめとすることを確認した。
また、そうした理由が重なったことが真相解明に至らなかったことの要因であるとしている。
報告書は、2012年度の一括交付金による撤去事業と14年度の市単費による撤去事業に分けて報告されている。
12年度の一括交付金による事業の指摘事項としては▽設計委託業務▽ごみの撤去事業▽見積書・契約書▽仕様書等-など7項目に分けて合計29の問題点を指摘している。
14年度の市単費による事業では、見積依頼書▽委任状▽請負契約書-など市が提出した資料を12の項目に分けて、項目ごとに問題点を詳細に指摘している。
そのほかにも、テレビの寄贈問題をめぐる業者と職員との関係性や下地敏彦市長が新聞紙上で「調査特別委に資料を出す用意がある」としながら、提出されなかったことについて「無責任」「積極的に全容解明に向けて取り組んでいるか全く見えない」とする文言も盛り込まれている。