関連質問で当局追及へ/小中一貫校用地白紙問題
複数の市議が通告/市議会一般質問
昨年の6月以降の市議会一般質問は、不法投棄ごみ残存問題について野党を中心に当局姿勢を厳しく糾弾してきたが、開会中の3月定例会では新たな問題が浮上している。
新たな問題となりそうなのは、伊良部の小中一貫校の用地白紙化をめぐる関連質問だ。
この用地白紙化の原因となったのは、リゾートホテル開発をめぐり伊良部の「渡口の浜」に隣接する市有地売買について、下地敏彦市長と協議を進めてきた本土企業が学校用地の一部を買い付けて、渡口の浜の市有地との土地交換を求めたことにある。
この市有地の購入を希望している企業としてはこれまで「森トラスト」と、外資系の「マリオット」の名前が挙がっている。
土地交換を求めている本土企業は、大手開発業者(森トラスト)の依頼でホテル建設の計画があることを市に説明し、昨年から市と払い下げ交渉を重ねてきたが突如、別の外資系企業に売却するという市の意向を伝え聞いて、今回の土地交換に踏み切ったと主張している。
この一連の問題をめぐって下地市長は、この本土企業との協議を認めており、この交渉担当者については市議の紹介で複数回会ったものの、売却する意思は示していないという。
また、下地市長は「一方の会社は立派な企画書を出しているが、もう一方からは出ていない」とも主張している。
市有地の購入を希望する場合について、市総務部財政課は「譲渡してほしいという申請書が出れば、それに基づいて『公有財産検討委員会』が行われる。渡口の浜の市有地についての申請書は財政課には出ていない」と述べた。
さらに、この土地をめぐる協議の際に下地市長と同席していた男性をめぐっても、市長との関係性を含めた質問が出されている。
この男性は、2013年度と14年度の一括交付金を活用した観光プロモーション事業を受注した一般社団法人「宮古島まちづくり研究会」の理事の1人。
同研究会が行った13年度の「プロモーションビデオ制作に係る委託業務」(1545万円)と14年度に実施した「イベント参加型観光PR委託業務」(3700万円)についても、通告された質問では具体的な事業内容を求めているほか、同研究会の概要についても当局に説明を求めている。
伊良部の小中一貫校の用地白紙問題については、その問題だけでなく、複数の項目に派生した質問が複数の市議から通告されており、どのような説明がなされるのか注目となっている。