前里教諭が博士号取得/宮総実で具志堅校長に報告
2年で取得は同大学院初
宮古総合実業高校(具志堅三男校長)の前里和洋教諭が16日、同校で農学博士の学位を取得したと具志堅校長に報告した。学位は鹿児島大学大学院連合農学研究科(佐賀大学、鹿児島大学、琉球大学で構成)で取得した。前里教諭は同研究科博士課程に社会人入学し、2年間で社会人早期終了を達成し、今月14日に学位を取得した。2年間での取得は同大学院連合農学研究科では初。学位論文は「沖縄県宮古島の地下保全に関する資源循環型総合研究」。
報告会には学位取得を指導した、主指導教員の琉球大学農学部の川満芳信教授と副指導教員の同部の上野正実教授が同席した。
前里教諭は「果たして学位論文をまとめきれるか不安を持ったスタートだった。生徒の教育、人材育成が第1になる。これまでまとめてきたデータの洗い直しや確認作業などで、何とか2年間でまとめられた。これは両先生のお力添えがなければできなかったこと。これにおごることなく、これからも自己研さんに励みたい」と述べた。
川満教授は「早期終了を達成した前里教諭は高校教諭としての職務を全うしながら取得した。離島教育界にとっても誇りであり、また後輩たちへの良い刺激になると思う。先生をしながら博士号を取るのは大変なこと」とたたえた。
上野教授は「社会人入学は国や県、大企業の研究室などの研究者がほとんど。比較すると、実業高校という研究環境としては少し物足りない中で、2年で学位を取得したことは素晴らしい」と高く評価した。
具志堅校長は「学位の取得は生徒たちの指導する場合もさることながら、われわれ教員にとっても大変な刺激になる」と述べた。