談合疑惑「証拠得られない」/不法投棄ごみ残存問題
馴れ合い「厳しく注意」/市、独自調査内容を公表
宮古島市は17日までに、2014年度不法投棄ごみ処理について、独自に調査した報告書を市のホームページに掲載した。談合疑惑については「証拠は得られなかった」とし「明確に結論づけることはできない」との見解を示した。事業執行については「検証する体制が不十分だった」と指摘。業者との馴れ合い的な事業執行についても「厳しく注意する」とした。
調査の限界認める、全容解明困難に
報告書は、市議会から「市は全容解明に向けた独自調査を実施すべきだ」との指摘を受けて実施。①事業について②契約について③事業の実績について④事業の検証⑤調査概要-の5項目で、A4判11㌻にまとめた。
市は「2014年度不法投棄ごみ撤去事業の入札に関する調査委員会」を設置。指名競争入札の委任状や談合疑惑などについて、市の担当職員や関係業者から聞き取り調査を実施した。
市は聞き取り調査の概要で「どこまで供述が信用できるか疑わしい面もあることはある」と記したものの「この委員会は強制捜査の権限を持っておらず、これ以上、供述の信用性を疑わせるような新しい証拠を入手できないと思う」と調査の限界を認めるとともに、全容解明は難しいとの見解を示した。
その上で「委員会としては聞き取りの内容が全面的に信用できるということではない」と証言の信ぴょう性に疑問を呈し、一方で「だからといって談合したと認定できるだけの証拠も得られなかった」と説明。「談合があったと明確に結論づけることはできなかった」とまとめた。
報告書ではそのほか、アルバイト職員が別の業者の代理人になることは法令上「禁止されていないと解される」とし、連合については「確たる証拠はない以上、連合があったとはいえない」、談合についても「普段通りの入札だったと話している」と説明した。
回収ごみの水増し行為と計量データの改ざんについては「実際にごみを回収し、計量を行ったところ推定残存量と実際に回収した量との間に大きなかい離があった」とこれまで通りの主張を展開。「推定残存量に少しでも近づけたいとの思いから水増しや計量票の改ざんが行われた。大変申し訳ない」と陳謝した。
当該事業の執行については「市全体でしっかりと検証する体制が不十分だった」と反省した上で、職員に対しては「入札や契約の方法、支出に関する会計事務の研修や教育をしっかり進めていきたい」、上司には「業者との馴れ合い的な事業執行を厳しく注意するとともに、業務管理を徹底するよう指導していく」とした。