損害賠償請求へ/伊良部小中一貫校
用地売却問題で市教委/市議会一般質問で方針示す
伊良部地区小中一貫校建設用地売却問題で、市教育委員会は17日までに、当初予定していた学校用地を仮契約後に売却した元の地権者を相手取り、損害賠償請求訴訟を起こす方針を固めた。6月議会に関連議案を提出する方向で準備を進める。開会中の市議会3月定例会一般質問で、市教委の仲宗根均教育部長が高吉幸光氏の質問に答えた。
市教委が損害賠償に言及するのは初めて。測量費やボーリングの費用、交渉で使用した経費などについて賠償を求める方針だ。
仲宗根教育部長は、当初予定した用地が売却された経緯と理由を問われ、市が提示した売買金額の約5300万円に対し、本土企業の提示額が1億円だったことを明かし、「民間企業の方が高いというのが理由だと聞いている」とした。
当初予定していた学校用地の面積は約4万8000平方㍍。元の地権者はこのうち約7割の用地を所有していたが、これを仮契約後に本土企業に売却したことが発端となり、一貫校建設計画は暗礁に乗り上げた。
仲宗根部長は、今後のスケジュールも説明し「小中一貫校の開校は平成31年度開校を目指しており、平成29年度に学校建設に着手する必要がある。県は国に平成29年度事業についての概算要求を平成28年4月8日までに行う」とした。その上で、「教育委員会としては今月の31日までに県へ用地決定を報告しなければならない」と述べた。
損害賠償に関し宮國博教育長は「公金が使われている以上、少なくともその分は返してもらうという判断になる。専門家と相談して決めていく」と述べた。
新たな学校用地は16日の選定委員会で佐良浜中学校に決定。同校をいったん解体し、新築する。今後、市教委の審議、市長決裁を経て県に報告される。
この日の一般質問には高吉氏のほか、下地明、佐久本洋介、西里芳明、前里光恵の5氏が登壇した。