人口、自然減が進行/市議会一般質問
「死亡」が「出生」上回る
宮古島市の人口で、数年前から自然減が進行していることが18日、市の調べで分かった。自然減は、亡くなる人の数が生まれる子の数を上回る現象。市企画政策部によると、3~4年前からの傾向だという。市は子供の島外進学や雇用機会の少なさ等が要因となる社会減を恒常的に抱える。この二つの社会現象が、人口減少数県内最多の現状を引き起こしている。
市の人口は2015年国勢調査速報で5万1196人。10年の調査より843人減少し、県内市町村で減少幅が最も大きかった。
人口減の要因は、開会中の市議会一般質問の中で友利克企画政策部長が説明した。池間豊氏や下地智氏の質問に答えた。
池間氏への答弁で友利部長は「人口減少の最大の要因は、社会減、自然減が両方ある」と指摘した。社会減については「高校卒業と同時にほとんどの若者が島を出ている。雇用の機会も少ない。また望む職種が少ないため(島に)戻る、転入する人が少ない」と現状の社会構造を挙げた。
さらに、「3~4年前からは高齢化が進展し、亡くなる方の数が生まれる子の数より多くなってしまっている」と自然減が進行していることを説明した。
その上で、「両方の現実が宮古島市の人口問題の中には根付いている。これを打開するために総合戦略を策定した」と述べた。
同戦略では、若年者の就業率を2010年度実績の65・9%から69・7%に向上させることを目標に据えている。友利部長は「具体的な事業を着実に実行して人口減の歯止め、人口の増加につなげていきたい」と話して理解を求めた。
下地氏への答弁では「生み育てる世代20~40代の方が人口構成比の中で非常に少ない」と説明し、「この世代をどう増やすか。つまりは雇用の確保になる」と話し、雇用の創出・確保に取り組む方針を示した。