販売額39億3300万円/肉用牛競り15年度実績
子牛1頭平均は64万6000円/素牛不足で過去最高
JAおきなわ宮古地区畜産振興センターは19日、宮古、多良間の両家畜市場における2015年度肉用牛競り実績をまとめた。販売額は前年度比6億1000万円増となる過去最高の39億3300万円。子牛1頭平均価格も同比12万2065円高の64万6675円と過去最高額だった。全国的な素牛(子牛)不足が高値取引をけん引している。
15年度の子牛上場頭数は5681頭。内訳は宮古が4547頭(前年度比159頭減)、多良間が1134頭(同比122頭減)といずれも前年度の頭数を下回る実績だった。成立頭数は全体で5674頭。
頭数減の半面、販売額は上昇を続けた。子牛1頭当たりの価格が高値で推移しているためで、頭数の減少を高価格で補う取引が1年を通して続いた。
市場別の子牛1頭平均価格は宮古が前年度比11万7048円高の65万4150円、多良間が同比13万8674円高の61万6681円と両市場ともに前年度より10万円以上高かった。
1頭当たり最高価格は宮古が1月競りの115万8840円、多良間が同月の101万3040円と初めて100万円を超えた。
キロ単価は宮古、多良間平均で2552円。市場別では宮古が前年度比407円高の2553円、多良間が同比475円高の2546円と高値が付いた。
これらの実績を踏まえて販売額は上昇した。宮古は4月から11カ月連続で2億円以上、最終3月は3億円を突破している。
偶数月開催の多良間は4月と6月の競りで各1億円以上を販売。そのほかの月も順調に推移した。
結果として両市場の子牛だけで36億6900万円を販売する実績となった。
成牛を含む上場頭数は6321頭だった。1頭当たりの平均価格は62万3599円、市場別では宮古62万9155円、多良間59万9850円。平均キロ単価は宮古2248円、多良間2380円の実績だった。
過去に例のない高値販売についてJA宮古地区畜産振興センターの砂川辰夫センター長は「全国的な素牛不足の影響でずっと高値が続いた。この傾向はしばらく続く」と話す。ただ、頭数の減少を挙げて、「素直には喜べない。担い手の育成を含めて、頭数をどう増やすかが喫緊の課題だ」と気を引き締めた。