両工場に年内操業要請/市長と生産組合
「前向きに取り組む」と両社
宮古地区農業振興会長の下地敏彦市長らは29日、沖縄製糖と宮古製糖にサトウキビの早期・年内操業を要請した。両社とも「検討し前向きに取り組みたい」と述べたものの、春植えや株出し体系の着実な整備が必要だとし、時期尚早との意見を示唆した。具体的な時期についても明言を避けた。
要請は、今月25日のキビ生産組合役員・支部長合同会議で、年内操業を推進する方針を決定したことを受けて実施。農業振興会、平良、城辺、伊良部、下地、上野のキビ生産組合長の連名で行った。
要請文には、▽宮古地区で栽培されているキビのほとんどが早期高糖性品種で構成されている▽夏植え一作体系から夏株・春株への作型へ移行しつつある-などを挙げ、「生産目標38万㌧の必達に向け、早期・年内操業は生産農家から望まれている」と明記し、下地市長が読み上げて手渡した。
沖糖宮古工場では、砂川玄悠専務、大見謝伊久雄製造部長、古謝宏信農務課長が対応した。
要請書を受け取った砂川専務は「生産農家が元気で豊かになるキビ作りに協力したい」と述べ、前向きに取り組む考えを示した。
その上で同専務は「株出しは、肥料だけ与えて収穫できるという考えを持つと減産につながる。ハーベスターの収穫もうまくいかない」などと述べ、年内操業に向けては株出しの管理が重要だと指摘、春植え、株出しの普及に伴う増産を訴えた。
宮糖城辺工場では、安村勇社長、奥平政彦専務、洲鎌英樹農務部長が応対。要請を受けた安村社長は「年内操業は、避けて通れないということは重々承知している。考慮していく」と述べた。その上で「春植え、株出し体系の確立をしっかりしてもらいたい。また、年内操業になると正月はありませんよということにならないと製糖工場は困る」などと述べ、農家の協力が前提だとした。