10万㌧級バースを計画/宮古島市
大型クルーズ船に対応/16年度、港湾整備計画を変更
大型クルーズ船の寄港に対応するため、宮古島市が10万㌧級以上のクルーズ船が接岸できる専用バースの整備に着手する。2016年度に平良港港湾整備計画の変更作業を進め、17年度内には計画に盛り込む方針だ。下地敏彦市長は「50年先を見越した形で計画つくる」と明言し、観光振興に直結する同港の整備促進に意欲を示した。開会中の市議会一般質問で、山里雅彦氏の質問に答えた。
市当局が大型専用バースの整備に言及するのは初めて。港湾の将来構想を問う山里氏の質問に対し、下地康教建設部長が答えた。
現在整備中の漲水地区複合一貫輸送ターミナル改良事業に触れ「7万㌧級のクルーズ船に対応するため220㍍の岸壁を延長し合計で440㍍、2バースを整備する予定」と述べた。その上で、「平成28年度(16年度)には平良港湾整備計画の変更作業を進める」と明言。17年度内には同整備計画に10万㌧級以上のクルーズ船専用バースの整備を位置付けるとした。
下地市長も登壇し、「いま漲水港の整備を進めているが、これだけではクルーズ船の対応はできないというのは分かっている」と現状を指摘。「私たちは次の計画をどうするかという協議を進めている。50年先を見越した形でしっかりした計画をつくる」と述べ、新たな専用バースの整備に強い意欲を示した。
大型クルーズ船の寄港回数は、旺盛な観光需要に比例して上昇傾向にある。昨年は13回入港して9372人が来島。経済効果は3億9000万円をはじいた。
市によると、今年は3月末から10月末までの7カ月間に、下崎ふ頭に65回、沖で停泊する沖泊で46回の計111回寄港する。外国からの観光客数は昨年の10倍に膨れ上がるとみる。
今年の経済効果を問われた下地部長は「昨年のデータを用いて計算すると観光客は10倍で、単純に計算した場合は約40億円程度の経済効果があるかと机上で予測している。係船料は約880万円程度」と述べた。