子ども食堂オープン/貧困対策
食事を無料で提供/宮古初、市民の善意たっぷり
貧困状態にある子どもに無料の食事を提供する「子ども食堂みゃーくがに」がこのほど、平良西仲宗根にある「地域活動支援センターふぁーかんだ」内にオープンした。食堂の運営費は寄付金で対応し、食事はボランティアがつくる。貧困対策が叫ばれるさなか、宮古初の子ども食堂は市民の善意にあふれている。
今月19日に正式オープンした。運営するのは障害福祉サービスを提供する「ビザライ」。毎週土曜日と日曜日の正午から午後2時まで開店し、貧困や一人親世帯の18歳未満の子供たちを対象にカレーと宮古そばを無料で提供する。保護者も1食200円と格安料金で食事をすることができる。
子供の貧困対策は全国各地で取り組みが進む。子ども食堂も各地にオープンしているが、宮古島市では第1号店となる。
ビザライ代表の勝連聖史さんは「子供たちに温かい場所を提供したかった」と微笑む。「できることからやろうと思った」と開所の経緯を振り返った。
考え抜いた名称は「みゃーく」と「くがに」という方言をひっつけた。「宮古の宝」という意味だ。「貧困や一人親世帯の子供たちにとって居心地の良い場所であってほしい」。すべての子供の幸せを願ってネーミングした。
そんなビザライ独自の取り組みには多くの市民が賛同した。フェイスブックを活用するなどして協力を呼び掛けたところ、あっという間に10万円集まった。ある農家は食材の提供を申し出た。勝連さんは「全部自費運営なので続けていくことが大変。だからこそこういう支援はありがたい」と市民の支えに感謝する。
市民の善意を受けてオープンした子ども食堂は、これから多くの子供たちを迎え入れていく。
勝連さんは「ぼくも子供のころは周囲に支えられて生きてきたが、昔と違って今は隣近所からの助けなどもなくなり、貧困から抜け出すのは難しい」と現状を嘆く。「そんな子供たちの手助けをしたい。居心地が良くて、不安を解消できる場所にしていきたい」と話す言葉に決意を込めた。
子ども食堂は北保育所近く。問い合わせは、ふぁーかんだ(電話0980・79・0983)まで。