緊急性低い症状は外来へ/宮古病院
小児科救急の90%が軽症
宮古病院の上原哲夫院長らは29日に会見を開き、同病院救急室小児科の時間外、深夜受診者のうち約90%が軽症であるほか、受診数が前年度比で465人増加し小児科医への負担が非常に重くなっているとして、緊急性が低い場合は平日時間内の外来を受診するよう協力を呼び掛けた。
宮古病院の2015年度の2月までの救急室小児科受診者総数は3750人で、そのうち時間外(午前6時~同8時30分、午後5時~同10時)と深夜(午後10時~午前6時)での受診者数は2281人で全体の60・8%を占めている。15年度1年間の受診見込み数は4170人、そのうち時間外・深夜受診者は2541人(60・9%)で、14年度の3584人中2076人(57・9%)から465人の増加が見込まれている。
会見で上原院長は、常勤小児科医5人が外来や病棟などを担当しながら交代で時間外・夜間の救急診察を行っている現状を説明。15年度4月から2月までの累計で、時間外、深夜の救急受診者のうち入院したのは152人(6・7%)で93・3%は入院が不要な症状だったことを示し、「軽症でも深夜に受診するケースもあり、医師の疲弊につながっている」として緊急性が見られない症状での受診は避けるよう呼び掛けた。
武富博寿小児科部長は緊急性を判断する目安として①意識(顔つき、目つき)②呼吸状態③皮膚の色調-の3点を挙げ、どれか一つでも異変があれば救急を受診することを推奨する。たとえ熱があってもこの3点が見られなければ、翌日の時間内に外来受診すべきとの考えを示した。ただし生後3カ月までの乳児は発熱だけでも救急での受診が必要という。「救急は夜間も開いている外来ではない。必要がない人は受診しないでほしい」と訴えた。
子供の急な病気で困ったときには、局番なしの「#8000」で電話がつながり、医師や看護師がアドバイスしてくれる小児救急電話相談(午後7時から同11時)や県と県小児保健協会発行の「子どもの救急ハンドブック」なども活用するよう呼び掛けた。