地引き網漁を体験/大神島で”感動ツアー”
親子連れら100人、クイチャーで交流
大神島自治会(久貝愛子会長)が全面的な協力で受け入れし、伝統の自慢のカーキダク(くん製タコ)料理でもてなすイベント「大神島感動体験ツアー」が2日、同島で行われた。総勢100人余が参加。本土から訪れた親子連れ60人余が力を合わせて地引き網(じびきあみ)漁を体験し、ダツ科の仲間で体長が長い魚に感嘆の声を上げていた。
同ツアーは、ジェイトリップ(東京都、石橋幸夫代表)が企画した。今年で8年。ほとんどの親子連れが、子供たちの春休みの思い出づくりで参加し、地引き網漁体験やグラスボートで美しいサンゴ礁と熱帯魚を観賞した。
この日は絶好の「自然体験日和」。参加者らは島西側の美しい白い砂浜のハマサス海岸に集合した。
開式で、宮古島観光協会の豊見山健児会長は「良い天気に恵まれた。きょうは思う存分に楽しみ、あす(3日)は、下地の与那覇前浜で宮古島の海びらきが開かれるので、全員で参加してほしい」とアピールした。
地引き網漁では、二つのグループに分かれ、合図に合わせて綱引き綱を引き寄せた。息の合った「よいしょ、よいしょ」の掛け声が響いた。モンガラカワハギ科の仲間の魚やシモフリフエフキ(方言名タマン)、ヒメジ科の仲間のオジサン(方言名カタカシ)などを水揚げした。子供たちは、カラフルな熱帯魚に触り喜んでいた。
体験後、参加らは同島離島振興コミュニティーセンターへ移動した。住民や同島出身の女性たちがボランティアで参加。カーキダクとタマネギを混ぜ合わせた珍味の料理やサザエのつぼ焼き、島ラッキョウ、アーサ汁、野菜天ぷらなどでもてなした。
各テーブルにはごちそうがずらり。親子連れらは、新鮮な素材に「おいしい」と絶賛していた。
舞台では、歌・三線ショーが披露され、楽しい雰囲気に盛り上げていた。最後は、全員参加のクイチャーで飾り、来年の再会を約束した。
奈良県に住む松本康裕さん(44)は家族4人で訪れた。松本さんは「初めて参加したが、子供たちの喜ぶ顔を見て大満足です。あす(3日)は海びらきを楽しんでから、奈良県に帰ります」と笑顔で話していた。
同島に住む大浦高義さん(76)と友利行雄さん(68)は、今年も積極的にリーダーとして活躍した。
同島は2日現在、15世帯、人口28人、平均年齢80代とされる。