「鉛」基準値超で再調査へ/城辺友利崖下不法投棄ごみ
現場のごみは「産廃」扱い
不法投棄ごみ残存問題に伴い、2月に実施された城辺友利の崖下における土壌調査結果で「鉛」が基準値を上回ったとの県環境科学センターの報告を受けて市では、「鉛」の含有量を再調査することとなった。
また、今回の調査結果で現場の残存ごみは土とごみが混ざった状態になっており、こうした状況は「廃棄物混じり土」として判断され、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃掃法)では「汚泥」の取り扱いになり、分類では「産業廃棄物」となることも市側に示されている。
同地区の調査については、昨年の市議会12月定例会で委託費を可決。今年2月には、同センターによる土壌分析調査が行われ市の担当職員と、立会人の市民が見守る中で現場の5カ所から土壌サンプルを採取した。
同センターの調査報告書では、「鉛」について基準値が1㍑当たり0・01㍉㌘以下に対して分析結果は0・15㍉㌘と「不適合」との判断が下っている。
調査結果を踏まえて市生活環境部の下地信男部長は「市としては現場のごみを撤去する方針なので再撤去に向けた再調査を行い、鉛の含有量を把握した上でその撤去方法を検討したい」と述べた。
下地部長によると、今後の調査で、鉛の含有量が基準値を超えた場合と基準値以内では撤去方法が違うとしている。
前回調査は5㌢の深さまでの調査だったが、今後の調査は廃掃法に基づいて地面から50㌢の深さまで掘り下げて調査するとしている。
その調査結果で基準値を上回った場合、現場のごみは「特別管理産業廃棄物」になるとしている。
廃棄物処理法における「特別管理産業廃棄物」とは、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物のことで、必要な処理基準を設け、通常の廃棄物よりも厳しい規制を行っている。
再調査の費用について、下地部長は「6月の補正でやるのか、急ぎの場合は既存の予算を活用したい」と述べた。
この場所の不法投棄ごみについては、市の撤去事業を請け負った業者との間で「協議書」が交わされて再撤去が合意されているが、今回の調査結果はその作業にも影響を及ぼしそうだ。