陸自配備問題考える/猪澤さん講師に勉強会
宮古島への陸上自衛隊配備問題について考える勉強会が9日、市中央公民館創作室で開かれた。今回は2月に開かれた市民集会「島の未来をつくる次世代会議」に配備反対立場のパネリストとして参加した猪澤也寸志さんが講師を務め、条例の改廃や行政事務の監査請求が行える直接請求の仕組みや市地下水保全条例、国民保護計画などについて自身の考えを紹介した。
同勉強会は陸自配備賛否の立場を問わず、さまざまな情報を共有することで配備問題への理解を深めることを目的に実施。今後も継続開催を予定している。
猪澤さんは直接請求について、条例の制定や改廃の請求、行政事務の監査請求は、有権者の50分の1以上の署名を集めれば請求できることを説明。事務の監査請求は行政が行う事務全てに適用されることから、今回、自衛隊配備計画についての審査を非公開で行った地下水審議会などに対し事実監査を求めることも可能との考えを示した。
地下水保全条例では水道水源流域で事業計画があれば、市と事前協議を行い、地下水審議会で審査を受けることが定められていることを紹介する猪澤さん。今回、審議会から付託を受けた学術部会による審査については「世界標準の環境マネジメントでは通常時、非通常時だけでなく、当然予見できる緊急事態も特定することが必要とされている。学術部会では予見できる緊急事態も想定して考えるべき」と主張した。
現在の市国民保護計画では有事には全住民避難を視野に入れた体制整備が必要としているものの、具体的な計画は整備されていないことを指摘。「自衛隊を受け入れるのであれば市は避難計画を整備することが必要」との認識を述べた。
最後に猪澤さんは、宮古島をはじめ沖縄に新しい基地を作らせない運動を「オール沖縄」の枠組みで取り組むべきとの持論を披露した。