計画の撤回を要請/野原部落会
千代田カントリーへの陸自配備/市長と議長に求める
野原部落会(島尻信徳会長)は12日、市役所平良庁舎に下地敏彦市長と棚原芳樹議長を訪ね、陸上自衛隊配備計画で千代田カントリークラブ(上野野原)が有力な候補地となっていることについて、同地への配備計画撤回を要請した。下地市長は「皆さんの要請については防衛省に伝えたい」と述べた。また、棚原議長に対しては市議会議員の現地視察を求め、6月定例会前に実施するとの見解が示された。
要請で島尻会長は3月27日の部落会総会で可決された反対決議書を読み上げて「これ以上の基地被害は耐え難い」と訴えながら、計画撤回に向けて市として適切に対応するよう求めた。
これに対して下地市長は「防衛局にあそこ(千代田カントリー)で決まったのかと聞いても、『検討中』という返事なので、計画がまだ固まっていない段階で撤回しなさいと言えるかどうか」と述べた。
島尻会長らは「地元としては有力な候補地としてのとらえ方。決定となる前に市の方から伝えてほしい」と要求した。
下地市長は「地元の意見を伝えることはできる。こうした要望があるのでどの場所に建設するかも含めて検討して下さいということはすぐに伝えたい」と述べた。
また、棚原議長は「皆さんの意見はしっかり受け止めて与野党議員に投げ掛けたい」と述べ、求められた現地視察についても調整することを約束した。
島尻会長らは「当初、官舎だけと思っていたが、話が進むに連れてヘリポートや屋内射撃場を有する基地候補となって不安が広がっている。配備が決定すればさらに機能拡大の可能性あり、そうした計画の中身についての説明がまったくない」と不満を訴えた。
さらに「基地の被害については地域住民以外、多くの市民は知らないと思う。今もヘリが飛ぶたびに大変な思いをしている。そうした問題が表に出ないからわからないだけ。例えばオスプレイが導入されれば大変なことになる」と訴えた。
野原集落は、61世帯で構成され、空自宮古島分屯基地と隣り合わせで日常生活を送っている。部落会によると、各世帯代表1人の計61人が総会提出議案を審議する権利を持つ。
3月の総会は本人出席が38人、委任状は17人で陸自配備に反対する議案審議を行い、関係者によると反対決議は全会一致で可決された。