就学援助拡充を要望/県と市
10月めどに事業化へ/子どもの貧困対策で協議
子どもの貧困対策で、県と市、市教育委員会の意見交換会が14日、市役所平良庁舎で行われた。緊急措置として予算化された国の10億円、県の30億円基金の有効活用を探る会合で、市は要保護、準要保護対象児童生徒における就学援助の拡充ほか無料塾、子どもの居場所づくりに向けた資金援助などを要望した。県は持ち帰って検討を重ね、10月をめどに事業化する。
子どもの貧困をめぐっては国、県ともに緊急的な対策予算を確保。県は、計画的かつ効果的な貧困対策を推進するための基金30億円を単費で創設している。
今回の意見交換は、県内5圏域で実施されているもの。県は意見交換を通して子どもの貧困に関する県内41市町村の現状を把握。各市町村のニーズを捉えて基金の有効活用を図る。
宮古島市での意見交換は非公開で行われたが、終了後に県の担当課が報道各社の質問に答えて大まかな会合の内容を報告した。
市は、現状として2016年2月末の要保護対象者は小学31人(全児童に占める割合0・9%)、中学は22人(同1・3%)と説明した。準要保護は小学632人(同18・6%)、中学319人(同18・3%)という実態を報告した。
これらの現状を踏まえて複数の事業化を要望。主に学習塾を開設する際の資金援助や事務体制を強化するための臨時職員、嘱託員の配置などを求めた。
また、学用品や給食費の援助を含む要保護、準要保護対象児童に対する就学援助の拡充も要望した。
子どもの居場所づくりも求めた。夕方から夜にかけて子どもが一人にならないよう居場所をつくる取り組みだが、学習支援や食事提供などの運営費は国の予算を活用できるものの、施設の増改築資金については補助メニュー外だという。この部分を県の基金で対応するよう期待した。
県子ども生活福祉部青少年・子ども家庭課子ども未来政策室の喜舎場健太室長は「子どもの貧困対策に対する市の熱意を感じることができた。要望ができるだけ実現できるように取り組んでいきたい」と話した。