下地智枝さんが名取取得/日舞・西川流
師範の壱瑚さんと喜び報告
日本舞踊・西川流、西川壱瑚師範の門弟、下地智枝さんがこのほど行われた名取試験に合格し、人間国宝の十世宗家・西川扇藏から免許状を受けた。名取名は西川瑚生(こりゅう)。下地さんは14日、師範の壱瑚さんと共に宮古毎日新聞社を訪れ、「とても緊張したけど、合格できてうれしい」と喜びを話した。下地さんは、9月25日にマティダ市民劇場で行われる「西川壱瑚日舞教室チャリティー公演」の中で、名取お披露目会を行う予定だ。
下地さんは、軽度の知的障がいを持つ。県立沖縄高等養護学校(うるま市)を卒業し、現在は市熱帯植物園にある市体験工芸村の宮古織物工房で働いている。
日舞教室には約10年間通い、名取試験には初挑戦で合格を果たした。
師範の壱瑚さんは自身の教室で障がい者に踊りを教えている。名取の誕生は同教室3人目で、8人いる知的障がい者の中では初めてという。
名取試験は東京で行われた。下地さんは10人の試験官の前で、課題の男踊り「扇」と、女踊り「重ね菱」を踊った。
壱瑚さんは「貴重な体験をした。これからの自信につながる。教室のメンバーたちにも大きな刺激になった」と祝福。「日舞は間の取り方が難しい。彼女はそれをきちんと練習し、試験では高得点で合格した。今後もいろいろな勉強が待っている」と話した。
名取名は、師範の壱瑚さんの名前から一文字をもらったという。下地さんは「師範を目標に頑張ってきた。これからも壱瑚先生の下で精進してまいりたい」と抱負を語った。